大阪・国立国際美術館で11月2日から2025年1月26日にかけ特別展「線表現の可能性」が開催される。
直線、曲線、点線、波線──描く材料によっても「線」の表情は様々に変化する。かつては完成作のための習作や下絵、あるいはデッサンとしての役割を担い、近代には、抽象絵画などを通して線表現そのものに独立した価値が見出され、いまなおその表現領域を拡大し続ける「線」。
本展は、美術館のコレクションのなかから版画・素描を中心に、絵画、彫刻、写真を加えた約150点を選び、現代アートにおける線表現の多様性を知ることのできる企画だ。各ジャンルに線表現の特徴を比較しながらわかりやすく紹介し、線の用い方をその性質ごとに4つの章に分けて紹介することで、絵画における線の役割とその可能性について検証する。
展示構成は「線の動き、またはその痕跡」「物語る線たち」「直線による構成」「線と立体」の4章構成。
現時点で発表されている出品作家は木村忠太、津高和一、中原浩大、正延正俊、李禹煥、ヴォルフガング・ティルマンス、エミリー・カーメ・ウングワレー、サイ・トゥオンブリ―、ピエロ・マンゾーニ、池田龍雄、池田満寿夫、瑛九、須藤由希子、浜口陽三、不動茂弥、町田久美、南桂子、山本容子、ジョナサン・ボロフスキー、荒川修作、狗巻賢二、沢井曜子、高柳恵里、辰野登恵子、中村一美、山田正亮、アグネス・マーチン、ゲルハルト・リヒター、ブライス・マーデン、ベルナール・フリズ、植松奎二、宮﨑豊治、湯原和夫、岡崎和郎、菊畑茂久馬、桑山忠明、佐野ぬい、嶋田しづ、竹﨑和征、谷川晃一、奈良原一高、野見山暁治、野村仁、福岡道雄、舟越桂、三島喜美代、イリヤ・カバコフ、クリスチャン・ボルタンスキー、クリスト、スーザン・ローゼンバーグ、パナマレンコ、フランク・ステラ、リチャード・セラ(一部変更となる場合あり)。
普遍的なテーマでありながら、日頃、意識することの少ない「線」という存在が、私たちの視覚にどのような作用を及ぼすのか。いまこそ古くて新しいテーマである「線」を考えたい。