公開日:2025年7月28日

【開幕レポート】「ガチャガチャ」展が東京・丸ビルで開催中。見て・知って・回して楽しむガチャガチャの世界の面白さ

「コップのフチ子さん」「仕事猫」「部分イクラ」「うちの子のけだまだま」など各メーカーの代表作が勢揃い!会期は8月15日まで。

会場風景

東京・丸の内に位置する丸ビルでは、ガチャガチャ来日60周年を記念した展覧会「ガチャガチャ展」が開催されている。会期は7月26日〜8月15日。会場には「コップのフチ子さん」や「仕事猫」シリーズをはじめとするガチャガチャ界の名品が、商品ができるまでの制作過程とともに紹介され、ガチャガチャの面白さを徹底解剖するような展覧会となった。

会場風景
会場風景

本展を主催するのは「ガチャガチャの力で世界に笑顔を届ける」を理念として活動を行う日本ガチャガチャ協会。本展は、ガチャガチャ文化が日本で発展した歴史をひもとく「プロローグ」、業界を牽引するメーカー11社とクリエイター5名が約400シリーズの商品展示を行う「メイン展示」、約200台のガチャガチャが並ぶ「ガチャガチャストリート」の3つのセクションで構成されている。

会場風景

個性あふれる各社のブースで紹介されるのは、アイデアと遊び心に満ちた珠玉の品の数々。ここからは筆者が気になった商品・ブースを一部紹介したい。

最高にクレイジーなものづくりを理念とするブライトリンクのブース。カニの爪を模したコーム「カニつめミニコーム」や、ペットの抜け毛をストラップに入れて持ち運べる「うちの子のけだまだま」など、ユニークでおもわず集めたくなってしまうような可愛らしい配色のカプセルトイが並んでいる。

会場風景より、ブライトリンク「かにつめコーム」

別ブースには、可愛いを通り越してもはや狂気的なコンセプトの商品も。本格的にヘン!なガチャブランド灰色メロンが手がけた「部分イクラ」は、ロダンの《考える人》や福島の伝統工芸品「赤べこ」の一部がイクラに入れ替わったら? というアイデアをもとに作られたミニフィギュアだ。

会場風景より、灰色メロン「部分イクラ」

精巧なミニチュアシリーズの制作に強みを持つ企業トイズスピリッツのコーナーで紹介されるのは、実際に氷を削れるかき氷機や、録音可能なCDプレイヤー、推しバッグのミニチュアなど、企業の技術力の高さが伺えるような商品だ。直径65mmのカプセルという制約の中で、創意工夫をこらしながら様々なギミックが盛り込まれた商品を開発している。

会場風景より、トイズスピリッツ「本当に作れる!ダイキャスト製!ざ・かき氷マシーン」

各社ヒット商品の開発秘話や、ものづくりへの思いを感じられる資料も本展の見どころのひとつ。「キタンクラブ」のブースでは人気シリーズ「コップのフチ子」さんのデザイン・配色プロセスを記したスケッチが展示されており、完成するまでのやりとりや細かな調整の軌跡を資料を通じて辿ることができる。

会場風景

また、本展では残念ながら商品化されなかった「幻のガチャガチャ」も紹介されている。コストがかさんでしまった、見た目が思ったより怖かったなど、なんとも世知辛い理由で日の目を浴びなかったアイデア達にもぜひ注目して見てほしい。

会場風景

展示をひと通り見終わった後には、あなたもきっとガチャガチャを回したくなっているはず。かくいう筆者(そして内覧会に参加していた報道関係者の多く)も、取材後には両替機に直行、気がつけばガチャガチャにコインを突っ込んでいた。展示室中央に設置された200台のガチャガチャの中には、展示されている商品はもちろん、各企業の近作や、本展限定で先行販売されるカプセルトイなども含まれている。

会場風景

なぜ子供も大人もガチャガチャがあると回したくなってしまうのか? その理由と背景にある奥深さを文字通り”体感”するような展覧会だった。

井嶋 遼(編集部インターン)

井嶋 遼(編集部インターン)

2024年3月より「Tokyo Art Beat」 編集部インターン