公開日:2025年5月13日

「Kansai Art Annual」が初開催。大阪・心斎橋PARCOで、関西ゆかりの若手作家による挑戦的な表現と出会う

一般社団法人日本現代美術振興協会(APCA)と心斎橋PARCOがタッグ。関西発の新たなアートイベント「Kansai Art Annual 2025『CO』」が5月23日に開幕

「Kansai Art Annual 2025『CO』」メインヴィジュアル

関西ゆかりの若手アーティストの発表と鑑賞の場を創出する新たなアートイベント

新たなアートイベント「Kansai Art Annual 2025『CO』」が、5月23日から大阪・心斎橋PARCO 9F EVENT SPACEで開催される。会期は6月22日まで。

関西ゆかりの若手アーティストの発表と鑑賞の場を創出する「Kansai Art Annual」は、大阪を拠点に、20年以上にわたって現代美術に特化したアートフェア「ART OSAKA」を運営してきた一般社団法人日本現代美術振興協会(APCA)が、心斎橋PARCOと協働し、新たな文化振興プロジェクトとして立ち上げたもの。心斎橋PARCOでは開業以来、商業施設の枠を超え、新進気鋭のクリエイターたちとの共創を軸に文化的価値を発信し続けてきた。

初開催となる今年のタイトル「CO(シーオー)」は、「コラボレーション(Collaboration)」を意味する。アーティストとギャラリーの共創だけでなく、現代の文化を支える多様なプレイヤーの連携を象徴しているという。

厚地朋子 stop me キャンバスに油彩 2021 Courtesy of TEZUKAYAMA GALLERY
岡本啓 Photo Variation_0002 カラーフィルムにフォトブラッシュ、Cプリント 2024 Courtesy of Yoshiaki Inoue Gallery

多様な手法で知覚や社会をとらえなおす7名のアーティスト

参加作家は、厚地朋子、岡本啓、神出謙、菊池和晃、栗棟美里、宮田彩加、ユーダイの7名。光や糸、記憶、写真や漫画、機械といった多様な手法で、知覚や社会をとらえなおすアーティストたちの表現が会場を彩る。

神出謙 CRUB CRUSHER「黙ってカニを食べる時代は終わった」 FRP、レジン、アクリル、木 2023 Courtesy of Marco Gallery
菊池和晃 スープ缶製造機 アルミニウム、ステンレス、塗料、アクリル板、チェーン 2022 Courtesy of +1art

厚地朋子は複数の視点を重ねる絵画、岡本啓は光を描く写真作品を出展。神出謙はポップな造形で社会の矛盾を浮かび上がらせ、菊池和晃は非効率な機械と労働を作品化する。さらに栗棟美里は写真と視覚を、宮田彩加は糸と生命の構造を探求。ユーダイは漫画と絵画を用いて偶像を表現する。

栗棟美里 Images/Portrait #20 アクリル板にUVプリント 2025 Courtesy of TEZUKAYAMA GALLERY
宮田彩加 ポピーを形成するプロット -in Green- ミシン糸、綿布 2023
ユーダイ アレについてのムダ話し #3 ジグレー、シルクスクリーン(5版5色)、ガラス 2018 ed.30 Courtesy of Yoshiaki Inoue Gallery

5月24日15時から、「作家のキャリアとギャラリストの役割 / 心斎橋エリアの可能性」と題したトークプログラムが行われ、出展作家の厚地、岡本と、岡田慎平(TEZUKAYAMA GALLERY)、菰田寿允(Marco Gallery)が登壇。また会場および周辺ギャラリー、そして6月5日から開催されるアートフェア「ART OSAKA 2025」などと連携したスタンプラリーも実施される。

個性豊かなギャラリーが多く存在する関西で新たに始まる「Kansai Art Annual」。新進アーティストたちの多様な表現が集うこの機会に注目したい。