「Kansai Art Annual 2025『CO』」メインヴィジュアル
新たなアートイベント「Kansai Art Annual 2025『CO』」が、5月23日から大阪・心斎橋PARCO 9F EVENT SPACEで開催される。会期は6月22日まで。
関西ゆかりの若手アーティストの発表と鑑賞の場を創出する「Kansai Art Annual」は、大阪を拠点に、20年以上にわたって現代美術に特化したアートフェア「ART OSAKA」を運営してきた一般社団法人日本現代美術振興協会(APCA)が、心斎橋PARCOと協働し、新たな文化振興プロジェクトとして立ち上げたもの。心斎橋PARCOでは開業以来、商業施設の枠を超え、新進気鋭のクリエイターたちとの共創を軸に文化的価値を発信し続けてきた。
初開催となる今年のタイトル「CO(シーオー)」は、「コラボレーション(Collaboration)」を意味する。アーティストとギャラリーの共創だけでなく、現代の文化を支える多様なプレイヤーの連携を象徴しているという。
参加作家は、厚地朋子、岡本啓、神出謙、菊池和晃、栗棟美里、宮田彩加、ユーダイの7名。光や糸、記憶、写真や漫画、機械といった多様な手法で、知覚や社会をとらえなおすアーティストたちの表現が会場を彩る。
厚地朋子は複数の視点を重ねる絵画、岡本啓は光を描く写真作品を出展。神出謙はポップな造形で社会の矛盾を浮かび上がらせ、菊池和晃は非効率な機械と労働を作品化する。さらに栗棟美里は写真と視覚を、宮田彩加は糸と生命の構造を探求。ユーダイは漫画と絵画を用いて偶像を表現する。
5月24日15時から、「作家のキャリアとギャラリストの役割 / 心斎橋エリアの可能性」と題したトークプログラムが行われ、出展作家の厚地、岡本と、岡田慎平(TEZUKAYAMA GALLERY)、菰田寿允(Marco Gallery)が登壇。また会場および周辺ギャラリー、そして6月5日から開催されるアートフェア「ART OSAKA 2025」などと連携したスタンプラリーも実施される。
個性豊かなギャラリーが多く存在する関西で新たに始まる「Kansai Art Annual」。新進アーティストたちの多様な表現が集うこの機会に注目したい。