元離宮二条城ファーガス・マカフリー及び京都市は、世界遺産・⼆条城にて「アンゼルム・キーファー:ソラリス」展を開催します。キーファーは半世紀以上にわたり、⽂学・歴史・哲学・科学・宗教・神話などを題材に、⼈類の普遍的なテーマを重層的な作品の中で扱ってきました。本展では、新作や初公開作品を含む絵画・野外彫刻・ガラスケース作品・インスタレーションなど計33点を展⽰。ドイツ出⾝の世界的現代アーティストである彼にとって過去最⼤規模のアジアでの展覧会となります。
本展は主催者、またキュレーターでもあるファーガス・マカフリー⾃⾝が、作家のスタジオで⼀枚の絵画を⽬にしたことから始まりました。⻨畑の後ろに広がる豊かな⾦地と遠近法的な奥⾏きを排した特徴的な構図は、狩野派の絵画を思わせるものでした。「⽇本の伝統的な紺碧障壁画を意識したのですか?」と尋ねたところ、作家の答えは「No」。しかし、このやりとりをきっかけに作家の興味が芽⽣え、やがて狩野派による絢爛豪華な障壁画が彩る⼆条城へと導かれることになります。2024年春には作家の現地訪問が実現し、展覧会の構想はより具体化していきました。⽇本の和歌から着想を得た作品や、原爆投下後の広島の⾵景が描きこまれた作品も本展では展⽰されます。何層にも重ねられた複雑で壮⼤なイメージの中に、キーファーの⽇本への眼差しを垣間⾒ることができるでしょう。
1945年、第⼆次世界⼤戦の終戦直前、空襲下の病院の地下で⽣まれ、荒廃した戦後ドイツの⾵景の中で育ったキーファー。そして今年は⻑崎と広島への原爆投下、そして終戦から 80年の節⽬にあたります。彼の作品に反映される、時間の隔たりや地理的距離を超えて私たちを結びつける⼈類の経験を、⼆条城という特別な空間で探究する機会となることを願っています。