国立西洋美術館アーティスト
飯山由貴、梅津庸一、遠藤麻衣、小沢剛、小田原のどか、坂本夏子、杉戸洋、鷹野隆大、竹村京、田中功起、辰野登恵子、エレナ・トゥタッチコワ、内藤礼、中林忠良、長島有里枝、パープルーム(梅津庸一+安藤裕美+續橋仁子+星川あさこ+わきもとさき)、布施琳太郎、松浦寿夫、ミヤギフトシ、ユアサエボシ、弓指寛治
この展覧会は、国立西洋美術館においてはじめて「現代美術」を大々的に展示する機会となります。こんにちの日本で実験的な制作活動をしている、さまざまな世代の20を超えるアーティストたちの作品が集います。
主として20世紀前半までの「西洋美術」だけを収蔵/保存/展示している国立西洋美術館には、いわゆる「現代美術」は存在しません。過去を生きた、遠き異邦の死者の作品群のみが収められているともいえます。けれども、1959(昭和34)年に松方コレクションを母体として開館した国立西洋美術館の成立前史の記憶を紐解いてみると、この美術館はむしろ、開館以後の時間を生きるアーティストらが所蔵品によって触発され、未来の芸術をつくってゆける刺激の場になってほしいという想いを託されながらに建ったということができます。しかしながら、国立西洋美術館がそうした「未来の芸術」を産み育てる土壌となりえてきたのかどうかは、これまで問われていません。
西欧に「美術館」という制度が本格的に誕生した時期とも重なる18世紀末、ドイツの作家ノヴァーリスは、こう書いていました。
展示室は未来の世界が眠る部屋である。——
未来の世界の歴史家、哲学者、そして芸術家はここに生まれ育ち——ここで自己形成し、この世界のために生きる。
国立西洋美術館は、そのような「未来の世界が眠る部屋」となってきたでしょうか。本展は、多様なアーティストたちにその問いを投げかけ、作品をつうじて応答していただくものとなります。