水野年方《三十六佳撰 くつわや 明和頃婦人》、明治26年(1893)【後期展示】

「夢の江戸へ―美人画と歴史ロマン」

町田市立国際版画美術館
12月21日終了

アーティスト

月岡芳年、水野年方
浮世絵は江戸時代初期に誕生して以来、浮世すなわち当世を題材とし、遊郭の花魁や芝居町の歌舞伎役者といった当代のスター達を描きつづけました。ところが明治時代になると、政府による極端な欧化政策に対する反動として、江戸時代を回顧する風潮が生まれてきます。世間の感情を敏感に察知し、その需要に応じてきた浮世絵のなかにも、過ぎ去った時代を題材とする作品があらわれ始めました。

本展で紹介するのは、月岡芳年【つきおかよしとし】(1839-1892)と水野年方【みずのとしかた】(1866-1908)による美人画です。明治時代に活躍したこの二人の浮世絵師は、師弟の関係で結ばれながら多くの共通する画題に取り組み、江戸時代の女性像もそのひとつでした。しかしながら彼らが描いた江戸は、必ずしも正確な歴史理解に基づくものではありません。そこに表されたのは江戸時代を理想化した姿であり、史実にしばられない「夢の江戸」とも言える世界だったのです。

芳年と年方の没後、浮世絵は急速にその姿を消していきます。当世を題材としていたはずの浮世絵が過去を描き始めたことは、図らずも浮世絵の終焉を暗示しているようです。浮世絵最後の傑作をどうぞお楽しみください。

前期: 9月26日(金)~11月9日(日)
後期: 11月11日(火)~12月21日(日)

スケジュール

開催中

2025年9月26日(金)~2025年12月21日(日)あと52日

開館情報

時間
10:0017:00
土曜日・日曜日・祝日は17:30まで
休館日
月曜日
10月13日、11月3日、振替休日は開館
10月14日、11月4日は休館
入場料無料
展覧会URLhttps://hanga-museum.jp/exhibition/schedule/2025-615
会場町田市立国際版画美術館
http://hanga-museum.jp/
住所〒194-0013 東京都町田市原町田4-28-1
アクセスJR横浜線町田駅ターミナル口より徒歩12分、小田急線町田駅東口より徒歩15分、小田急線町田駅西口より神奈川中央交通バス「高ヶ坂センター前」より徒歩7分
電話番号042-726-2771