丸亀市猪熊弦一郎現代美術館アーティスト
マリア・ファーラ、潘逸舟、石原海、鎌田友介、リディア・ウラメン、竹村京、アンドロ・ウェクア
「ホーム」という言葉には、私たちが過ごす物質的な家、また家に集う集合体である家族、そして故郷や祖国という意味があります。本展タイトルの「ホーム・スイート・ホーム」という言葉は、「愛しい我が家」などとも訳され用いられてきました。
一方、2020 年初頭から数年におよんだ新型コロナウイルス感染症によるパンデミック期の「ステイホーム」において、私たちは「ホーム」というものについて意識的、無意識的に思いをめぐらすことを経験しました。あるいは世界各地における難民問題は、国際的な紛争などを背景にますます深刻なものとなり、祖国や故郷というものの意味を突きつけてきます。このようにビターな社会に生きる私たちにとって、「ホーム」とはどのようなものなのでしょうか。
本展は、歴史、記憶、アイデンティティ、私たちの居場所、役割等をキーワードに表現された国内外の現代美術家の作品をご紹介いたします。それらを通して、私たちにとっての「ホーム」、すなわち「家」そして「家族」とは何かということや、所属する地域や社会の変容、あるいは普遍性などを浮かび上がらせることを試みます。