Gallery Restaurant 舞台裏「Gallery & Restaurant 舞台裏」では、会田誠の新作絵画展「《混浴図》への道」を開催する。会田は、1993年にレントゲン藝術研究所で開催された「fo(u)rtunes」展での本格的な作家デビュー以降、30年以上にわたり第一線を走り続ける現代美術家である。2000年代には《滝の絵》(2007-2010)、《灰色の山》(2009-2011)といった大型絵画作品を複数手がけ、そのセンセーショナルな表現が広く話題を呼んだ。近年はインスタレーションや映像作品を続けて制作していた会田にとって、絵画作品の発表はいささか久しぶりのことである。
本展で披露される新作には、会田が長きにわたって追求してきたシミュレーショニズムの手つきが散りばめられている。そして何より、本人がこれらの絵画作品を「光らないし動かない」と称するユーモアそれ自体が、麻布台ヒルズという空間での展示という活動に対するある種のクリティークであるといえよう。モニュメンタルな大型作品への憧れと、生活に直結した私的な手仕事との間を往還するアイデアの萌芽を、ぜひ多くの人にご覧いただきたい。