WHITEHOUSE小宮はこれまで、自身の身体を起点とし、クィア的視座から浮かび上がる新たな時間論への関心から「新しい生殖・繁殖の方法を模索する」ことをテーマにパフォーマンスや映像、 場所の運営、漫画表現などメディアにとらわれず活動してきました。今回は、かねてより続けてきた細胞培養、特に培養肉にまつわるリサーチをインスタレーション作品として発表します。培養肉というテクノロジーを通して細胞という生命の極小単位に目を凝らす中で見えてくる生政治ー人間と動物や自然、資本、環境などのからまりの中で生まれる生態系。そのあわいで発生する生と死、人間中心主義的な政治や倫理の線引きの中で、いかにそれが社会や制度によってコントロールされているものなのかをリサーチを通して提示します。動物を苦しませない倫理的な、つまり潔白で「クリーン」な肉としての培養肉、細胞の権利、人工妊娠中絶、ヴィーガニズム、そしていま世界で起きている虐殺…我々を取り巻く生の政治を、細胞を通して見つめ、投げかけます。
助成:松浦文化財団 協力:BioClub Tokyo, Shojinmeat Project