駒込倉庫 Komagome SOKO韓国を代表するアーティスト、イム・ミヌク。芸術と政治、過去と現在、個人と共同体を横断しながら、現代社会では忘れられ隠された声や存在を様々な手法で呼び起こす創作活動は、世界のアートシーンはもちろん、日本でも瀬戸内国際芸術祭2016、あいちトリエンナーレ2019などで継続的に紹介されてきた。
彼女は今回、公益財団法人大林財団の《都市のヴィジョン》制作助成を受け、2年間におよぶ日本でのリサーチとクリエーションの成果として、隅田川と東京湾周辺を屋形船で周遊する水上パフォーマンスツアーと駒込倉庫での展覧会を同時開催する。タイトルの「Hyper Yellow」、つまり「黄色を超越した」状態とは、特定の色や人種を指す言葉を超え、どこにも存在しないが、どこにでも存在する、壊れやすい境界や関係を表すという。まさに境界を流動的に超えて体験するパフォーマンスツアーは、屋形船の中に流れる音楽やガイド、川辺で行われる出来事の交錯によって、歴史、国家、信仰、そして生態学的・地理的感覚が再編される旅となるはずだ。