アトリエももさだは、旧国立農業倉庫棟を活用した施設です。8棟の倉庫が並ぶ倉庫棟は昭和9年、現在の全農あきたが建設し、昭和14年に農林省へ寄付され、米の受給調整に用いられてきました。倉庫1棟の構造は、間口14.3m、奥行き45m、天井最高部8.5mの木造平屋建であり、全体の収容力は秋田県の米の年間消費量の約3割を保管できるほどの量でした。
その後、平成2年3月の用途廃止以来、地元新屋地区からは倉庫の活用について様々の要望が提出されるとともに、多くの市民から保存活用の声が生じ、平成3年、当時新設した短期大学の校舎として活用する計画となりました。平成6年2月には短期大学用地として秋田市に譲渡が決定し、平成7年4月から短期大学、平成25年4月からは美術大学のキャンパスの一部と活用しています。
現在は、倉庫棟8棟のうち、7棟を秋田公立美術大学で使用し、1棟を市立新屋図書館として活用しています。
倉庫棟は、昭和初期における木造の建築工法が見られる建造物として高く評価されており、平成4年に秋田県の近代化遺産として認められているほか、平成12年には国の登録有形文化財として登録されています。