道後温泉本館は、日本最古といわれる道後温泉のシンボルで、「神の湯」に代表される温泉施設です。
道後温泉本館の一番の魅力は、日本の公衆浴場として初めて、平成6年(1994)に国の重要文化財に指定されながら、博物館化せずに現役の公衆浴場として営業を続けているところです。平成21年(2009)に発行されたミシュラン・グリーンガイド・ジャポンでは、最高位の三つ星を獲得しています。
現在の神の湯本館は、道後湯之町初代町長の伊佐庭如矢いさにわゆきやが、100年後の道後の繁栄を見据え、幾多の苦難を乗り越えて、明治27年(1894)に改築した木造3階建てで、その後、明治32年(1899)の又新殿ゆうしんでんの建築、大正13年(1924)の養生湯の改築、昭和10年(1935)の改造等を経て、今日の姿となっています。建物設計は、松山城の城大工棟梁の家系である坂本又八郎で、大屋根の中央にギヤマンを使用した塔屋(振鷺閣しんろかく)を載せ、その上には道後温泉ゆかりの白鷺が据えられ、西洋の技法を取り入れたトラス構造を用いた壮麗な三層楼の本館となっています。