大村美術館は、アール・デコの巨匠と称えられるフランスの装飾芸術家ルネ・ラリック(1860-1945)のガラス作品を専門に展示しているプライベート・ミュージアムです。古き日本文化の面影を残す街に新たな文化エッセンスを加えたい、という秋田市の個人コレクターの熱意によって平成7年(1995年)に秋田県仙北市の角館に開館いたしました。
所蔵作品は、ルネ・ラリックのガラス作品とデザイン作品、娘のスザンヌ(シュザンヌ)・ラリックが絵付けのデザインをしたリモージュの陶磁器、1925年にパリで開催されたアール・デコ博覧会の写真資料とカタログ、ジョルジュ・バルビエ、ジョルジュ・ルパップに代表されるファッションイラスト(ポショワール)といった、20世紀前半のフランスのアール・デコ様式に特化した内容が特徴です。その他、アントニ・タピエス、アントニ・クラーベなどのスペイン現代画家の版画作品も所蔵されています。
展示にはガラス作品の美しさを充分に引き出すために、約100平米のコンパクトな展示室でライティング等に配慮し、個々の作品を落ち着いて味わっていただけるようにしております。また、より深く鑑賞していただくために、テーマを定めて、約400点のコレクションの中から70点から80点の作品を選定して展示しています。展示替えは2~3ヶ月に1回のペースで行っております。日本情緒あふれる町にあって西洋の幻想的世界をお楽しみいただけます。