「夢二生家記念館」は有島生馬氏による“夢二ここに生る”の碑が門側に建つ、築約250年の茅葺屋根の家屋を作品と共に公開。夢二は数えの16歳で神戸中学に進学するまで、ここで家族と暮らしていました。夢二が嫁いで行く姉を思い、窓枠に名前を書いた鏡文字が残るこども部屋をはじめ、奥の間や土蔵なども展示室として拡充。《童子》など、ふるさとをテーマにした所蔵作品を、季節ごとに展示します。夢二芸術を育んだ幸せな少年期を辿りながらの作品鑑賞は、より深い感慨を覚えることでしょう。
母屋に隣接した納屋を、展示室兼ミュージアムショップ&カフェ「椿茶房」に。店内では、オリジナル夢二グッズの販売はもちろん、京都の和菓子作家・杉山早陽子さんが、夢二作品をイメージして考案した季節の和菓子や抹茶をお召し上がりいただけます。
「少年山荘」は、夢二が晩年自ら設計し東京に建てた、夢二唯一の建築作品とも言えるアトリエ兼住居です。夢二が多くの作品を生み出した和洋折衷の建物を、1979年、次男・不二彦氏監修のもと、当時の姿を忠実に復元。生誕135年を記念したリニューアルで、夢二の人生・音楽・デザインをテーマにした展示を行い、全7室を公開しています。水戸岡鋭治氏プロデュース「夢二郷土美術館 お庭番黒ねこ〈黑の助〉の部屋」ほか、多彩な企画展示やワークショップなども開催します。