M7 in Doha Courtesy of Art Basel
世界有数のアートフェア「アート・バーゼル」の運営会社であるMCHグループは、カタール・スポーツ・インベストメンツ(QSI)およびQC+と提携し、2026年2月にカタールのドーハで新たなアートフェア「アート・バーゼル・カタール」を開催すると発表した。これにより、「アート・バーゼル」が初めて中東地域に進出する。
会場となるのは、首都ドーハにあるクリエイティブのための複合施設「M7」と、ムシェイレブ中心部のドーハ・デザイン・ディストリクト。
カタールは、バーゼル(スイス)、マイアミ・ビーチ、香港、パリに続く5つ目の「アート・バーゼル」の拠点となる。初回は厳選された一流のギャラリーとアーティストを紹介する内容となるという。
「アート・バーゼル」のカタール開催は、タミーム・ビン・ハマド・アール=サーニー首長の国家ビジョン「カタール・ナショナル・ビジョン2030」における文化・経済開発の一環でもある。この「ビジョン2030」にはほかにも、「ヴェネチア・ビエンナーレ」のジャルディーニ会場に同国の永久的な国立パビリオンを建設する計画も含まれる。
中東地域は、豊富な化石燃料埋蔵量に支えられた莫大な富を背景に、国際的なアート業界から長年注目を集めてきた。これまでこの地域でもっとも大きなアートフェアは「アート・ドバイ」だったが、今回の「アート・バーゼル」の進出が、中東と世界のアートマーケットの成長をさらに促すものになるだろうか。