備前市美術館 外観イメージ
2023年から建て替え工事を行っていた備前市立備前焼ミュージアムが、備前市美術館として7月12日からリニューアルオープンする。館長は金子賢治。同館は、世界の美術や建築、デザイン、そして備前焼を中心とした同都市の陶芸文化を紹介することを目的に開かれる、岡山の新たな文化施設だ。
開館を記念して、同館ではふたつの展覧会が同時に開かれる。ひとつは、パブロ・ピカソ(1881〜1973)の陶芸作品に焦点を当てた「ピカソの陶芸―いろとかたちの冒険―」展。もうひとつは備前の現代陶芸の現在地を示す「備前の現代陶芸:至極の逸品」展だ。どちらも会期は7月12日〜9月28日。
「ピカソの陶芸―いろとかたちの冒険―」展は、近代美術の巨匠・ピカソが手がけた陶芸作品をテーマとした展覧会。前衛的な絵画や彫刻作品で知られるピカソだが、彼が南仏の豊かな自然と土に魅了されて作り始めた陶器には、少年のような遊び心と、表現することへの純粋な喜びが溢れている。本展は、ピカソが手がけた貴重な陶器作品36点とリノカット2点を通じて、ピカソの新たな芸術への挑戦を感じられる機会となるだろう。
もういっぽうの「備前の現代陶芸:至極の逸品」展では、約800年の歴史を持つ信楽焼の伝統を受け継ぎながら、いまなお新しい表現を模索する陶芸作家たちの作品を総覧することができる。出品作家には、人間国宝である藤原啓、山本陶秀、藤原雄、伊勢﨑淳をはじめとする歴代の巨匠から、現在活躍中の中堅・若手作家まで、前・後期合計37名がラインナップ。備前の現代陶芸に強みを持つ同館ならではの見応えある展示内容となりそうだ。
岡山・備前に誕生する新しい美術館。近くまで来たときはぜひ訪れてみて欲しい。