セイソン・ベネティエール 東京 撮影:編集部
フランスを中心に世界各地に拠点をもつギャラリー「セイソン&ベネティエール(Ceysson & Bénétière)」が、5月17日、東京・銀座に新ギャラリーをオープンさせる。
セイソン&ベネティエールは、ベルナール・セイソンの芸術指導のもと、フランソワ・セイソンとロイック・ベネティエールが2006年に創業。ケーリッヒ(ルクセンブルグ)、パリ(フランス)、ジュネーブ(スイス)、ニューヨーク(アメリカ)等に拠点を構える。同ギャラリーにとって東京は8つ目のスペースで、今回がアジア初進出となる。CURA銀座8階に構える「Ceysson & Bénétière Tokyo」は325m²の広さを誇る。
東京の新スペースは、大手ギャラリーのメノーやペロタンでの勤務を経て、自身のアート・アドバイザリー会社LYAAを設立したレスリー・ユー(Leslie You)がシニア・ディレクターを務める。会場の設計は建築家のソフィー・ドリエスが担当した。
同ギャラリーは、5月革命をはじめとするフランスの政治的変化の時代を背景に、1960年代後半から1970年代初頭にかけて南フランスを中心に起こった芸術運動「シュポール/シュルファス(Supports / Surfaces)」を担ったアーティストを専門的に扱うほか、様々な現代アーティストたちとの協働で知られる。
今回の東京での開廊記念展もシュポール/シュルファスに焦点を当てたもの(会期は5月17日〜8月29日)。彼らは伝統的な絵画に挑戦し、素材の使用方法を解体・再検証することで、キャンバスや木枠といった制約から絵画を解放することを目指した。同時代の世界的な美術潮流としてはイタリアの「アルテポーヴェラ」や米国の「ミニマルアート」、そして日本の「もの派」などとも比較されてきたほか、日本の前衛運動「具体美術協会」とも影響関係にあった。
同ギャラリーが出版した書籍をはじめ、ノート、陶器、ピローなどグッズを販売するショップも併設。コレクター専用のプライベートサロンは、クロワッサン型のソファ、オーク材とコルテン鋼で作られたテーブルなどが設られたこだわりの空間になっている。
2年前にアートフェア「東京現代」へ参加したことを機に、アジア進出の足がかりとして東京に狙いを定めたという同ギャラリー。2024年にはパリでアーティストの松川朋奈の個展を開催するなど、日本のアートシーンとのコラボレーションにも今後力を注ぐ予定だという。続報を楽しみに待ちたい。
Ceysson & Bénétière Tokyo
住所:東京都中央区銀座5-12-6Cura Ginza 8F
5月17日〜
入場無料
公式サイト:https://www.ceyssonbenetiere.com/ja/locations/16/tokyo-ginza