公開日:2025年9月11日

GINZA SIXにジュリアン・オピー自身初となる宙に浮かぶ新作映像作品が登場。太陽の光がキラキラ輝く水面を見るような体験

「見る」より「楽しむ」を主たる目的に作った映像インスタレーションを作家のコメントとともに速報。会期は9月11日から2026年秋頃まで(予定) 撮影:編集部

ジュリアン・オピー Marathon. Women. 2025

東京・銀座に位置する複合商業施設GINZA SIXの吹き抜け空間で、イギリスを代表するアーティスト、ジュリアン・オピーの新作映像作品《Marathon. Women.》が展示されている。会期は9月11日から2026年秋頃まで(予定)。

同館では2017年のグランドオープン以降、草間彌生、ダニエル・ビュレン、名和晃平、ジャン・ジュリアン、ヤノベケンジなど名だたるアーティストの作品が展示されてきた。

ジュリアン・オピー Marathon. Women. 2025

今作《Marathon. Women.》は、吹き抜け空間に浮かぶように設置されたLEDサイネージを舞台に、カラフルでシンプルな線で描かれた女性ランナーたちが、それぞれ異なる色とスピードで駆け抜けていくという映像作品。スクリーンの内側と外側の両面に映像が展開され、2〜5階までの4フロアから、多角的にその動きを鑑賞することができる。今回は展示環境そのものに強い関心を持ったアーティストが、商業施設という公共空間に自然に溶け込むような作品を目指して制作した。

ジュリアン・オピー Marathon. Women. © Julian Opie ※イメージ

ジュリアン・オピーは1958年ロンドン生まれ。私たちがどのようにイメージを認識し、理解するかという関心をもとに、風景や人物をピクトグラムを想起するようなシンプルな表現で描くアーティストだ。日本でも水戸芸術館 現代美術ギャラリーや、東京オペラシティ アートギャラリーなどで個展が開催されているほか、イギリスのロックバンドBlurのベストアルバム『Blur: The Best Of』のジャケットデザインを手がけたことでも知られている。

ジュリアン・オピー Marathon. Women. 2025

オピーはこの展示にあたり、次のようなコメントを述べた。

「制作ではまずVRで展示空間を再現し、作品がそこでどう機能するかを徹底的に検証してから進めます。商業施設は美術館と目的が違うので、今回は“見る”より“楽しむ”が主眼。買い物の時間に自然に溶け込む存在にしたいと考えました。

作品に直接的なメッセージは持たせず、太陽の光が水面でキラキラ揺れるのをいつまでも眺めていられる——それと似た感覚の作品になっていたら」

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