公開日:2025年1月24日

東京・銀座にGinza Sony Parkがグランドオープン。コンクリート建築の中に広がる「公園」。Vaundy、羊文学、YOASOBIによる新感覚の音楽体験も

第1弾プログラムは、YOASOBI、Creepy Nuts、Vaundy、羊文学、BABYMONSTER、牛尾憲輔が参加する「Sony Park展 2025」

Ginza Sony Park 外観

東京・銀座のソニービルの建て替えプロジェクト、「Ginza Sony Park」が1月26日にグランドオープンする。

1966年にソニーの創業者のひとりである盛田昭夫によって作られ、2018年に解体となったソニービル。2018年8月〜2021年9月には建て替えのための解体途中を公園にするというプロジェクトを行っていた。その後、解体・新築工事を再開し、2024年8月に建物が竣工。グランドオープンに向けた工事期間中も「ART IN THE PARK(工事中)」と題し、SHUN SUDO、山口幸士、玉山拓郎による展示が開催されていた。

昨年8月に建物の内部が初公開されていたが、このたびグランドオープンに先駆けて行われた内覧会で、これまで未公開だったフロアを含む全貌が公開された。

都会の街中に生まれる「余白」

Ginza Sony Parkは、59年ぶりにこの地に建つ新築ビルとなる。Ginza Sony Park Project主宰のソニー企業株式会社 代表取締役社長兼チーフブランディングオフィサー・永野大輔は、「Ginza Sony Parkは銀座にソニーが作った公園。訪れた人が自分の庭のように使ってほしい」と語る。馴染みのある場所を「自分の庭」と呼ぶように、「都会の中の公園」をコンセプトとするこの場所を利用者それぞれのパーソナルな「庭」にしてほしいとの考えだ。さらにソニーがこれまで世に送り出してきた画期的な商品であるウォークマンやプレイステーション、Aiboと並ぶような「エポックメイキングな場にしたい」と意気込んだ。

永野大輔(ソニー企業株式会社 代表取締役社長兼チーフブランディングオフィサー、Ginza Sony Park Project主宰)

建物は地下3階から5階(屋上)まで。銀座の標準的な建物よりあえて低く構えることで、「公園」の重要な要素と位置付ける「余白」を集積率の高い都会の街中に生み出す。屋上は都市の中の箱庭のようなイメージで、思い思いに休憩できるベンチが設置されている。コンクリートの外壁を覆うグリッド状のステンレスのフレームは、「公園」と街をゆるやかに区切る役割を果たしている。

Ginza Sony Park 屋上(5階)
お隣の銀座メゾンエルメスには「Welcome back dear GINZA SONY PARK!」のメッセージが

地下から屋上まで続く螺旋階段は、ソニービル時代の「縦の銀ぶら」というコンセプトを継承した「縦のプロムナード」をイメージ。階段の踊り場は半屋外空間になっているため、建物の内側にいながらにして外の光や空気を感じられる。

階段
Ginza Sony Park 内観

数寄屋橋交差点に広がる開放的な吹き抜けの空間は、3つの通りに面しており、ソニービルから受け継ぐ「街に開かれた施設」という設計思想を体現している。各フロアごとに異なる天井高は、無機質なコンクリートの中に独特のリズムをもたらす。建物は「公園」というコンセプトから土木的で公共建築的な意匠を意識し、あえて「きれいすぎない」打ち放しのコンクリート建築にしたのだという。

Ginza Sony Park 内観
Ginza Sony Park 内観

さらに地下鉄コンコースとつながる地下2階には、解体工事途中に発掘された50年以上前のタイル壁や、1966年当時の面影を見せる梁や柱など、かつてのソニービルの歴史も残す。

Ginza Sony Park 内観
Ginza Sony Park 内観

ミュージアムカフェのカジュアルさをイメージしたダイニング

Ginza Sony Parkでは常設店舗を設けず、各フロアでその時々で変化するアクティビティを行っていく。地下3階のみ、新たなカジュアルダイニング「1/2(Nibun no Ichi)」がオープン。1人前の約1/4サイズの2品をワンプレートに盛り付け、料理にまつわるエピソードとともに提供するというコンセプトを掲げる。散策のあいまにミュージアムカフェのようなカジュアルさで利用してほしいとの想いがあるという。

1/2(Nibun no Ichi)内観

今後も建物内すべての空間をアクティビティで埋め尽くす予定はなく、永野は「余白とアクティビティの掛け合わせでSony Parkは作られると考えている。余白があるから公園になる」とその理由を語る。各所にある「余白」のスペースでは、休憩したり散策したり自由に過ごしてほしいとの思いがある。アクティビティは、ソニーグループや各事業会社によるイベントをはじめ、期間や規模も様々な企画を行っていく。

Vaundy、羊文学、YOASOBIが贈る新たな音楽体験

グランドオープンにあわせてスタートするのは、「Sony Park展 2025」。ソニーグループが取り組む6つの事業「ゲーム、音楽、映画、エンターテインメントテクノロジー、半導体、金融(ファイナンス)」をイベントテーマに変換し、ソニーミュージックグループを中心とする6組のアーティストとともに体験型のプログラムを展開する。参加アーティストは、YOASOBI、Creepy Nuts、Vaundy、羊文学、BABYMONSTER、牛尾憲輔。

1月26日から開催されるPart 1には、Vaundy、YOASOBI、羊文学が参加。

「Sony Park展 2025」会場風景

Vaundyは「音楽は、旅だ。」をテーマに、地下2階に自身がキュレーションする「音楽の地層」を出現させた。本展のために自身で「僕の心の曖昧な地層」をテーマに約200曲の楽曲を選曲。来場者は会場で手渡されるヘッドホンを「地層」に埋め込まれたイヤホンジャックに挿して、発掘するようにジャンルや国籍、年代を超えた様々な音楽を楽しむことができる。

「Sony Park展 2025」Vaundyによる展示の会場風景
「Sony Park展 2025」Vaundyによる展示の会場風景

「半導体は、SFだ。」をテーマに3階で展示を行うYOASOBIは、自身の楽曲「HEART BEAT」を用いた参加型の音楽体験《HEART BEAT: Resonance》を展開。NHK総合『YOASOBI 18祭(フェス)』のテーマソングである「HEART BEAT」は、全国の18歳世代から「心音」をテーマにメッセージや文章、パフォーマンス動画を募集し、それらをもとに千人の18歳世代の合唱とともに作られた楽曲だ。

「Sony Park展 2025」YOASOBIによる展示の会場風景

来場者はまず、会場に設けられたブースで自分の心拍をもとにした「心音オブジェクト」を生成。床と四方がモニターに囲まれた空間に入ると、自分や他の来場者、そしてYOASOBIのAyaseとikuraの「心音オブジェクト」がモニターの中で共鳴しながら動き出す。さらに「HEART BEAT」が流れるなか、「心音オブジェクト」の動きをセンシングし、ハプティクス技術を用いた床面の「Haptic Floor」が振動するなど、ここでしか味わえない音楽体験を演出する。

「Sony Park展 2025」YOASOBIによる展示の会場風景
Ayaseとikuraの「心音オブジェクト」

4階では「ファイナンスは、詩だ。」というテーマのもと、言葉にフォーカスした羊文学によるプログラム《Floating Words》が展開される。塩塚モエカがナレーションを担当し、「more than words」「光るとき」の2曲にあわせて、歌詞の言葉がスクリーンと水の中に浮かんでは溶けてゆく映像インスタレーションだ。光と水の動きが羊文学の音楽と言葉と融合し、楽曲の世界に引き込まれる空間になっている。

「Sony Park展 2025」羊文学による展示の会場風景
「Sony Park展 2025」羊文学による展示の会場風景

さらに《Floating Words》の余韻に浸りながらスクリーンの裏側へ回ると、こちらもソニーのハプティクス技術を活用した「Active Scale」により、歩行にあわせて水たまりが動いていくような、水の中を歩いている感覚を味わえる仕掛けが待っている。

「Sony Park展 2025」羊文学による展示の会場風景

「Sony Park展 2025」Part 1の会期は1月26日〜3月30日。Creepy Nuts、BABYMONSTER、牛尾憲輔が参加するPart 2は4月20日〜6月22日の開催となる。入場は無料で事前予約制。

2018年の解体からようやくグランドオープンを迎えたGinza Sony Park。都市の中の「余白」を感じに、訪れてみてはいかがだろうか。

後藤美波

後藤美波

「Tokyo Art Beat」編集部所属。ライター・編集者。