公開日:2025年5月14日

ジャン・ジュリアンの《大阪海獣》が大阪万博フランスパビリオンで初公開。海を想う“愛の讃歌”を体感する新作インスタレーション

タラ オセアン財団とNANZUKAが手がける、海洋への共鳴をテーマにした新作インスタレーションがフランスパビリオンで展示。会期は5月15日〜6月12日

ジャン・ジュリアン(撮影:Xin Tahara)

大阪の夢洲にて開催中の「2025年日本国際博覧会(通称:大阪・関西万博)」のフランスパビリオンにて、フランス人アーティスト、ジャン・ジュリアンによる新作インスタレーション《大阪海獣(Osaka Kaiju)》が公開される。本プロジェクトは、海洋環境保護に取り組むタラ オセアン財団が主催し、東京のギャラリーNANZUKAが企画協力を担当する。会期は5月15日から6月12日まで。

ジャン・ジュリアンは1983年フランス生まれ、パリ在住。イラストレーション、絵画、彫刻、映像、インスタレーション、書籍、衣類、デザインオブジェなど、ジャンルを横断する多彩な表現で国際的に活躍している。ユーモアと鋭い観察眼を通して現代社会と自然環境の関係性に問いを投げかける作品には、日本の現代カルチャーからの影響も感じられる。

展示風景より 《大阪怪獣(Osaka Kaiju)》 (撮影:Xin Tahara)

「物心ついた頃から、海は私にとって強い影響を与える存在でした」と語るジャン・ジュリアン。本展では、「愛の讃歌」をテーマに設計されたフランスパビリオンの200㎡を超える空間に、船と海洋生物の中間のような、浮遊する巨大な《大阪海獣》が登場する。まるで人の姿を思わせるこの不思議な存在が、私たちを未知なる海の世界へと導く。

音の演出を手がけたのは、ジャンの弟であり、彫刻家・音楽家・映像作家としても活動するニコラ・ジュリアン。視覚と聴覚を融合させた没入型のインスタレーションとして、来場者に豊かな体験をもたらす。

《大阪海獣》は、6月9日から13日に実施される「オーシャンウィーク」のハイライトを飾る。同時期、フランス・ニースではフランスとコスタリカが共同主催する国連海洋会議(UNOC)が開催され、タラ オセアン財団は国連特別オブザーバーとして参加する。万博というグローバルな場を通じて、「海を守る」というメッセージを世界へと発信する機会となるだろう。

さらに、本展の開催にあわせて、ファッションブランド「アニエスベー(agnès b.)」では、ジャンによるアートワークを用いた限定Tシャツ、ステッカー、ポストカードセットが一部店舗にて順次販売される予定。アートとファッションを横断するこのコラボレーションにも注目したい。

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