「劇場アニメ ルックバック展」ティザーヴィジュアル © 藤本タツキ/集英社 © 2024「ルックバック」製作委員会
2024年に公開された劇場版アニメ『ルックバック』の展覧会「劇場アニメ ルックバック展 -押山清高 線の感情」が、2026年1月16日から、東京・麻布台ヒルズ ギャラリーで開催される。会期は3月29日まで。
劇場アニメ『ルックバック』は、『チェンソーマン』などで知られる藤本タツキにより、2021年に「少年ジャンプ+」で公開された同名漫画を映画化したもの。漫画へのひたむきな思いでつながる藤野と京本というふたりの少女をめぐる物語が描かれる。監督・脚本・キャラクターデザイン・作画監督・原画を務めたのは押山清高。58分という短い上映時間ながら、興行収入は累計44億円を越え、国内外で大きな話題を集めた。
本展では、押山と映画に携わったクリエイターが、どのように原作の世界観を紡いでいったのかという点に着目。マンガ作品がアニメーション作品として昇華されていくまでの軌跡とこだわりをひもとく。
展覧会の開催にあたり押山は「この展示は、完成した映画の記録ではなく、描かれたもの、描かれなかったもの、その過程でこぼれ落ちた感情や思考の痕跡を今の時代にこそ可視化する試みです」とコメント。「描くとは、思考の累積であり、身体そのものの表現です。その線には“描いた人”のすべてが宿ります。この展示が、『人が絵を描くとは何か』をあらためて問う機会になればと思います」と述べている。
コメント全文は以下の通り。
開催にあたって -押山清高
映画『ルックバック』は、抗いようのない時代の変化に対する問いであり、生存戦略でした。
AIが絵をはじめ、あらゆるものを生成できる今、なぜ人は、それでも描くことをやめないのか。
その問いに、自分の線で答えようとした作品です。今回の映画では、藤本タツキさんの原作をお借りし、
“描くこと”についてアニメーションならではの表現を模索できたのは幸運でした。私はテクノロジーを否定するつもりはありません。
その力を認めたうえで、それでも描くことを選ぶ人間の衝動や不器用さにこそ、
作品の本質があり、残す意味があると信じています。
『ルックバック』は、私なりのクリエイター賛歌であり、人間賛歌です。この展示は、完成した映画の記録ではなく、描かれたもの、描かれなかったもの、その過程でこぼれ落ちた感情や思考の痕跡を今の時代にこそ可視化する試みです。
アニメやマンガは、先人たちの飽くなき探求が積み重なった集合知に支えられています。
本作もまたその流れの中にあり、私たちは時間をかけ、間違えながら、さまざまな感情で線を引き続けています。描くとは、思考の累積であり、身体そのものの表現です。
その線には“描いた人”のすべてが宿ります。
この展示が、「人が絵を描くとは何か」をあらためて問う機会になればと思います。
「劇場アニメ ルックバック展 ―押山清高 線の感情」
2026年1月16日(金)~3月29日(日) ※会期中無休予定
会場:麻布台ヒルズ ギャラリー( 東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階)
主催:麻布台ヒルズ ギャラリー、スタジオドリアン、エイベックス・ピクチャーズ
協力:集英社、ミックスグリーン
展覧会特設サイト:https://www.azabudai-hills.com/azabudaihillsgallery/sp/lookback-ex/