大谷グランド・センター YOSHIROTTEN作品
アートと食の複合施設「大谷グランド・センター」が12月12日にプレオープンする。
大谷石の産地でもある栃木県宇都宮市大谷町で開業する「大谷グランド・センター」は、昭和期に多くの人に愛された複合施設である旧「山本園大谷グランドセンター」をリノベーションしたスペース。1500年ものあいだ、人々の暮らしや祈りの空間を支えてきた大谷の岩山の岩肌に抱きつくように建てられた建物の歴史を継承し、この地をアートと食を通じてふたたび開く。プロデュースは株式会社The Chain Museumが手がける。


アート作品はYOSHIROTTENの作品を常設展示。空間が持つ力に共鳴し、新作インスタレーションを制作した。
1967年に建設された「山本園大谷グランドセンター」は、食事処や大浴場を備え、多くの来場者で賑わう観光スポットだったが、閉業後は30年以上にわたって廃墟になっていた。YOSHIROTTENの作品は、かつての浴場であり、窓から当時の記憶をとどめる平和観音を望むスペースに展示されている。



YOSHIROTTENは、本作の制作にあたり、大谷周辺地域の歴史を丹念にリサーチし、収集した素材を組み合わせて音と映像に落とし込んだ。不変的存在としての自然の気配に向き合うだけでなく、産業の発展とともに人間の手が加えられ、動き続けてきた大谷石のあり方にも目を向けたという。作家の視点で解釈された「大谷」を、季節や時間によって表情を変える空間で感じることができる。本展はYOSHIROTTENにとって初の常設展示となる。


さらに大谷グランド・センターでは、食を通じて土地の魅力を伝えるレストランもオープン。
ともに栃木出身の料理人である相場正一郎(イタリアンレストラン「LIFE」オーナーシェフ)と、スイーツの名匠・江森宏之(メゾンジブレー オーナーパティシエ)が初めてタッグを組み、この土地ならではの一皿を届ける。


チケットは、入館とアートスペース鑑賞がセットになったグランドパスと、入館パスの2種類を用意。12月12日〜12月25日はプレオープン期間となり、この期間中のグランドパスはオンラインでの日付指定チケットのみの販売となる。