アンリ・ルソー エデンの園のエヴァ 1906-10頃 ポーラ美術館
ポーラ美術館は、2025年12月13日より企画展「SPRING わきあがる鼓動」を開催する。春に象徴される“生命の再生”を軸に、テクノロジー社会に生きる私たちが自然や土地の記憶、そして内なる力をどのように感じ直すのかを問いかける展覧会だ。絵画・彫刻・工芸・インスタレーションなど約120点の作品が、感性の奥に眠る“鼓動”を呼び起こすように並ぶ。


本展の中心となるのは、ポーラ美術館として初めて「箱根」という土地そのものに焦点を当てた試みである。箱根町立郷土資料館所蔵の浮世絵や重要文化財を起点に、江戸から現代まで、東海道や箱根の風景に触発された表現を横断的に紹介。さらに、大巻伸嗣による自然と呼応するインスタレーションや、杉本博司、小川待子ら現代作家の新作も加わり、土地と作品の関係性が多層的に立ち上がる。



加えて、同館が誇る西洋近代絵画コレクションから、モネ、ゴッホ、ゴーガン、スーラ、シニャックらの作品が出品される。光や色彩の探求、未知の土地への旅、内面世界の探究といったテーマに触れながら、アンリ・ルソーの油彩4点を含む作品群が展覧会のコンセプト“わきあがる創造の力”と響き合い、鑑賞者を新たな感覚の旅へと誘う。

