ハンス・ウルリッヒ・オブリスト 著
北代美和子 訳 草思社 3300円+税 9月9日発売
革新的なキュレーション手法と、アートの枠を超えた様々なコラボレーションなどにより、現役最高のキュレーターとされるハンス・ウルリッヒ・オブリストの自伝がついに刊行。幼年期の事故から、芸術への目覚め、精神的な師匠たちとの出会いのほか、ヴェネチア・ビエンナーレ、サーペンタイン・ギャラリーから近年の実践までを含む決定版。
中嶋泉 著
筑摩書房 1700円+税 9月10日発売
草間彌生、田中敦子、福島秀子など、戦後、歴史の中で見落とされていった女性の美術家たちを再解釈し、美術史の書き換えを行った画期的著作が待望の文庫化。また、豊田市美術館では現在、本書を足がかりとして企画された「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」が開催中だ。こちらもあわせてチェックしてみてほしい。
ALT236 著
佐野ゆか 訳 フィルムアート社 3400円+税 9月26日発売
人の気配のない出入り口や階段、長い廊下、古びたホテルのロビー、寂れたショッピングモール、無機質な地下鉄の駅……。こうした日常で目にする光景の中に、不穏さと不気味さ、そして抗いがたい魅力を見出す「リミナルスペース」は、インターネットを中心に爆発的に広がった、2020年代を代表する美学的ミームだ。新しい「不安と恐怖の美学」の誕生の過程とその影響を徹底的に掘り下げる、リミナルスペースの「解体新書」が誕生。
武藤大祐、夏堀うさぎ 編著
書肆侃侃房 2300円+税 10月14日発売
第二次大戦後すぐに生まれ、長い歴史の中でたえず変容してきたストリップが、近年また新たな角度から注目を集めている。2010年代半ばから女性観客が増加したことをきっかけに、老若男女が身体表現を多様な価値観で楽しむ文化として、ストリップはリバイバルを遂げるに至った。本書は座談会、インタビュー、論考、ルポ、エッセイ、漫画などによって、ストリップの現在を多様な視点から掘り下げる。
西岡文彦 著
河出書房新社 1000円+税 9月8日発売
生前は1枚しか絵が売れなかった、南仏アルルを日本と思い込んでいた、ゴッホを象徴するあの黄色が意味するものとはなど、読めば新しいゴッホ像が見えてくるような本書。現在、東京都美術館と神戸市立博物館では、ふたつの大規模なゴッホ展が開催中。展覧会の前後に読めば、より作品を楽しめること間違いなし。
ケイティ・ヘッセル 著
鮫島圭代 訳 パイ インターナショナル 6800円+税 9月19日発売
これまで「男性中心」だった美術史の影に隠され、評価されてこなかった女性芸術家たちに焦点を当て、ルネサンスから現代まで、300点を超えるカラー作品とともに、語られることのなかった芸術の物語をひも解く。著者は、イギリスの美術史家、配信者、キュレーター。女性アーティストたちの活躍を賞賛するインスタグラム@thegreatwomenartistsや同名のポッドキャストもぜひチェックしてみてほしい。