公開日:2025年7月31日

「六本木アートナイト2025」開催決定!今年は韓国にフォーカス、約30組・50以上のプログラム

会期は9月26日~28日。六本木の街で毎年開催される大人気アートイベント

六本木アートナイト2025

都市とアートが交差する3日間

9月26日〜28日の3日間、「六本木アートナイト2025」が開催される。14回目となる今回は、「都市とアートとミライのお祭り」がテーマ。美術館や文化施設、大型複合施設、商店街など六本木全域を舞台に、インスタレーション、パフォーマンス、音楽、映像、トーク、デジタルアートなど、約30組のアーティストによる50以上のプログラムを展開する。

なかでも注目されるのが、昨年から始まった特定の国・地域に焦点をあてる「RAN Focus」だ。去年の台湾に続き、今年は国交正常化60周年を迎えた韓国にフォーカス。森美術館「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」展でも注目を集めた映像作家キム・アヨンや、「ベアバルーン」を用いて都市を舞台に親しみやすい作品を展開するアーティスト、イム・ジビンをはじめ、カン・ジェウォン、ジン・ヨンソブ、TAGO、ソ・ナンジェら気鋭のアーティストが参加する。

キム・アヨン デリバリー・ダンサーズ・アーク:0°レシーバー

キム・アヨンの《デリバリー・ダンサーズ・アーク:0°レシーバー》(2024)は、六本木ヒルズアリーナの巨大LEDスクリーンにて上映。近未来の配達員たちを描いたこの映像作品は、テクノロジーやアイデンティティ、労働といった現代的テーマを未来的ビジュアルで探究している。

カン・ジェウォンは、3Dソフトとインフレータブル素材を用いた彫刻作品《Exo2_crop_xl》などを出展。都市のなかに突如現れる飛行船のような造形が鑑賞者の想像力を刺激するだろう。

カン・ジェウォン Exo2_crop_xl

また、公共空間に潰れた熊のバルーンを設置するイム・ジビンの《EVERYWHERE》や、韓国伝統音楽「国楽」を取り入れた打楽器グループTAGOのライブパフォーマンスなど、ジャンル横断的な表現も六本木の街に登場。韓国の現代アートの多様性を一望できる機会となる。

イム・ジビン EVERYWHERE

RAN Focus以外にも、ジャグリングとプログラミングされた光が組み合わされたマルチメディアジャグリングや、朗読、バレエ、草野絵美が「竹の子族」をAI生成で再構築するインスタレーションなど、街の各所で多様な作品が展開。

草野絵美 Synthetic Youth - Takenoko Zoku

森美術館では「藤本壮介の建築:原初・未来・森」展、サントリー美術館では「幕末土佐の天才絵師 絵金」展、国立新美術館では「時代のプリズム:日本で生まれた美術表現 1989-2010」が開催中。六本木のアートスポットを巡ること自体が“祭り”の体験となる。

また、障害のある人々や英語話者など、多様な背景をもつ人々が参加できるインクルーシブ・アート・プログラムやガイドツアーも充実。誰もが「都市×アート」の可能性を体感できる機会が提供される。

変化と分断が加速する現代社会において、「ミライ」との向き合い方をアートを通して問う六本木アートナイト。街のいたるところに「想像力のきっかけ」が散りばめられる3日間が、この秋やってくる。

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