公開日:2024年11月7日

シャンパーニュメゾン「ルイナール」の新パビリオンが誕生。設計は藤本壮介、内装デザインはグエナエル・ニコラ

世界最古のシャンパーニュメゾンの3世紀におよぶ変遷を表現。フランス・シャンパーニュ地方ランスにオープン

「4 Rue des Crayères /クレイエル通り 4番」外観

世界最古のシャンパーニュメゾン「ルイナール」が本社を構える新たなパビリオン「4 Rue des Crayères /クレイエル通り 4番」が、フランスのランスにオープンした。

1729年にシャンパーニュ地方のランスに設立されたシャンパーニュメゾンであるルイナール。ランスのクレイエル通り4番は、メゾンの生産拠点となり、すべてのボトルがここから世界に向けて出荷されるようになった。

「4 Rue des Crayères」は、2029年のメゾン創設300周年を前に、3年間の建設作業を経てオープン。創設者のニコラ・ルイナールのヴィジョンを解釈して共有し、3世紀におよぶメゾンの変遷を表現するため、設計に藤本壮介、インテリアデザインにグエナエル・ニコラ、ランドスケープデザインにクリストフ・ゴートランを迎えた。

左から:藤本壮介、メゾン ルイナール社長フレデリック・デュフォー、グエナエル・ニコラ

森の中に佇む流線型のパビリオンに非対称の曲線を描く屋根は、ルイナールのボトルの丸みとシャンパーニュの泡からインスピレーションを受けたデザイン。建造物の素材には、採石場として利用されていたこの地へのオマージュとして、地域で採石されたソワソン石を採用している。

「4 Rue des Crayères /クレイエル通り 4番」内観
「4 Rue des Crayères /クレイエル通り 4番」外観

藤本壮介は、パビリオンのオープンに際して日本で行われたローンチイベントで以下のようにコメント。

「今回のプロジェクトで最も心掛けた点は、古いものと新しいもの、西洋と東洋の調和と対比です。ルイナールというメゾンが有するエレガンスやソフィスティケーションといったブランドの価値をどのように翻訳するかということを常に念頭に置いて取り組んできました。約3年間に及ぶルイナール メゾンとの協同作業を通じ、これだけ歴史や伝統のあるブランドでありながら常に新しいことに挑戦し続ける姿勢に勇気づけられました。そして関わる全ての人を大切する、リスペクトに溢れた“ヒューマン”な姿勢に感銘を受けました」

「中庭に面した窓から覗くと、メゾン ルイナールが夢の中にあるように見えるでしょう」(プレスリリースより)

「4 Rue des Crayères /クレイエル通り 4番」内観
「4 Rue des Crayères /クレイエル通り 4番」内観

内装デザインを手がけたグエナエル・ニコラは、背の高い茎や咲きこぼれる花びらなど、自然の造形を建物内の装飾に取り入れた。視点を変えることで様々な表情を見せる室内空間を作り上げた。

「ルイナール メゾンの素晴らしさは未来思考にあると感じています。 自然をリスペクトしながら人の流れをどうコントロールするかを考え抜きました。エントランスからもう未来へと誘う導線が始まり、奥へ進むにつれて歴史や伝統的なものへとコネクトしていきます。“ピースフル”という言葉がしっくりくる、居心地のいい空間が完成しました」

「老舗メゾンの歴史と、現代性とのバランスを取りたかったのです。 訪れたゲストは案内されながら、また自由に探索しながら、 ルイナールの世界に飛び込むことができます」(ローンチ・イベントでのグエナエル・ニコラのコメント/プレスリリースより)

庭園

また新しいパビリオンは5000㎡の保護林を含む7000㎡の敷地に建設。この広大な環境のなかには、多数の現代アート作品も設置されている。

なお、11⽉7日〜10⽇に都内で開催される現代アートの祭典「アートウィーク東京(略称:AWT)」にルイナールが参加。「AWT FOCUS」の会場である大倉集古館地下1階で、同パビリオンオープンの舞台裏を垣間見ることのできる特別展示を開催している。またエントランスではポップアップバーも登場する。

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