公開日:2025年10月10日

「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」が東京都現代美術館で12月開催。20世紀後半を代表するアーティストの日本の公立美術館初個展

会期は12月25日〜2026年4月2日

展覧会メインヴィジュアル デザイン:三上悠里

コンセプチュアル・アートを牽引したアーティストの個展が東京で

「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」東京都現代美術館で開催される。会期は12月25日〜2026年4月2日。

ソル・ルウィットは1928年、米国コネチカット州ハートフォード生まれ。2007年に亡くなるまで、欧米を中心とするアートシーンにおいて重要な役割を果たしてきた、20世紀後半を代表するアーティストのひとりだ。

ソル・ルウィット ウォール・ドローイング #283 青色の円、赤色の直線、黄色の直線の位置 初回展示1976年  2017年イェール大学美術館ウェストキャンパス・コレクションセンター(コネチカット州ウェストヘイブン)での展示 © 2025 The LeWitt Estate / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery.

ルウィットは1967年、「コンセプチュアル・アートについてのパラグラフ」が美術誌に掲載され、欧米圏の潮流に大きな影響を与えた。60年代後半、目に見える作品そのものよりも、作品を支えるアイデアやそれが生み出されるプロセスを重視する試みによって、芸術のあり方を大きく転換した。ルウィットの指示をもとに、ほかの人の手で壁に描かれるウォール・ドローイング、構造の連続的な変化を明らかにする立体作品など、その仕事は「芸術とは何でありうるか」という問いを投げかける。

ソル・ルウィット ストラクチャー(正方形として1, 2, 3, 4, 5) 1978-80 滋賀県立美術館蔵 © 2025 The LeWitt Estate / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery.

本展は、日本の公立美術館における初の個展として、ウォール・ドローイング、立体・平面作品、アーティスト・ブックなど、その広範な仕事を検証。既存の枠組みや仕組みに再考を促し、別の構造への可能性を開こうとしてきたルウィットの思考の軌跡をたどる。

ソル・ルウィット ウォール・ドローイング #1164 ドローイング・シリーズ I 2 (A & B) 構想1969年、初回展示2005年  2010年グラッドストーン(ブリュッセル)での展示  © 2025 The LeWitt Estate / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery.

見どころは、本展のために展示されるウォール・ドローイング。1968年に初めて発表されて以来、作家の代表作として知られているウォール・ドローイングは、多くの場合、ルウィットの文章や図面による指示をもとに、アーティスト本人以外の手で描かれる。本展では6点のウォール・ドローイングが展示され、広々とした空間のなかでアーティストのアイデアを体感できる。

《ウォール・ドローイング #66》を制作中のソル・ルウィット(グッゲンハイム美術館、ニューヨーク、1971)  © 2025 The LeWitt Estate / Artists Rights Society (ARS), New York. Courtesy Paula Cooper Gallery.

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