公開日:2025年11月6日

2026年度東京都美術館の展覧会スケジュールが公開。「アンドリュー・ワイエス」展、「オルセー美術館」展など

開館100周年を迎える東京都美術館。4月からは「アンドリュー・ワイエス」展がスタート。気になる2026年度ラインアップ第1弾を紹介。

2026年に開館100周年を迎える東京都美術館の26年のラインアップが公開。100周年を記念し、特別展や企画展に加え、アーカイヴ資料の展示やシンポジウム、特設サイトの公開など、多彩な事業を展開予定だ。

特別展「東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画北欧の光、日常のかがやき」(2026年1月27日~4月12日)

ヨーロッパ北部、スカンジナビア半島の中央に位置する国スウェーデン。本展では、近年世界的に注目を集める「スウェーデン美術黄金期」の絵画を本格的に紹介する。19世紀末、フランスでレアリスムを学んだ若い芸術家たちは帰国後、自然や人々、日常の中に宿る光を、スウェーデンならではの感性で描き出した。スウェーデン国立美術館の全面協力のもと、北欧の自然と共に生きる豊かな精神と、美術史の一時代を彩った作品群に出会える。

特別展「東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展」(2026年4月28日~7月5日)

20世紀アメリカを代表する具象画家、アンドリュー・ワイエス。第二次世界大戦後、抽象表現主義やポップアートといった潮流から距離を置き、身近な人々や風景を静かに描き続けた。彼の絵画には、窓や扉といった“境界”のモチーフがたびたび登場する。それは現実と内面、外の世界と自分自身をつなぐ象徴として描かれてきた。本展では、この「境界」を手がかりに、ワイエスが見つめた精神の風景をたどる。

「東京都美術館開館100周年記念 都美セレクション グループ展 2026」(2026年6月~7月上旬)

東京都美術館の開館100周年を記念して開催される「都美セレクション グループ展 2026」。従来の枠にとらわれず新しい表現に挑む現代作家たちの創作活動を支援する企画として、公募・審査により選ばれた3組のグループが展覧会を行う。東京都美術館という空間を舞台に、アーティスト同士の協働や展示構成の実験など、多様なアプローチで“いま”の表現を提示する。

企画展「東京都美術館開館100周年記念 この場所の風景-誰のために、何のために、つくられ/記録されてきたのか」(仮)(2026年7月23日~10月7日)

日本初の公立美術館として誕生し、日本近代美術の発展とともに歩んできた東京都美術館。開館100周年を記念する本展「この場所の風景-誰のために、何のために、つくられ/記録されてきたのか」(仮)では、美術館で発表されてきた作品と、発表を前提とせずに個人的に営まれた表現の双方に目を向ける。それぞれの「100年」を重ね合わせることで、美術の根源的な意味や、美術館という場のこれからを問い直す試みとなる。

江上茂雄 海のくもり日Ⅱ 1960年頃 クレヨン 個人蔵

特別展「東京都美術館開館100周年記念 大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」(2026年7月25日~10月18日)

大英博物館が誇る約4万点の日本美術コレクションから、江戸時代の屏風や掛軸、絵巻、さらに歌麿・写楽・北斎・広重ら8人の浮世絵師の代表作を中心に厳選して紹介する展覧会。近年の調査成果や収集の背景にも光を当てることで、同館が日本美術の収集・研究・保存の最前線で果たしてきた役割をあわせてたどる。海外の名門コレクションから、日本美術の魅力と歴史を立体的に体感できる展覧会となる。

特別展「東京都美術館開館100周年記念 オルセー美術館所蔵 いまを生きる歓び」(2026年11月14日~2027年3月28日)

「印象派の殿堂」と称されるオルセー美術館のコレクションから、「いまを生きる歓び」をテーマに絵画、彫刻、工芸、写真など約110点を展示する展覧会。19世紀末から20世紀初頭、急速に変化する社会の中で生まれた芸術は、絶え間ない技術革新を生きる現代にも新鮮な視座を与えてくれる。ミレー《落穂拾い》やルノワール、モネ、ファン・ゴッホの作品を通して、多彩な歓びの表現に触れることができるだろう。

企画展「東京都美術館開館100周年記念 あなたが世界を読むために」(2026年11月19日~2027年1月11日)

東京都美術館の開館100周年を記念する企画展「あなたが世界を読むために」。アルベルト・ジャコメッティ、砂澤ビッキ、谷川俊太郎、エレナ・トゥタッチコワ、山西ももといった作家の作品を通して、アートを「世界を読む」行為として体験できる。身体や言葉、自然を手がかりに表現された作品は、「世界とは何か」という問いを投げかけ、鑑賞者が自身の存在や感覚に向き合う契機を提供する。見る者一人ひとりの解釈と出会いが広がる展覧会だ。

谷川俊太郎 自写像 1951

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