Tokyo Gendai 会場風景
国内外から注目を集めるアートフェア、Tokyo Gendaiがパシフィコ横浜で開催される。会期は9月12〜14日。
第3回目の開催となる今回は、国内外から約66個のギャラリーが集結。国際的に著名なアーティストの代表作から、気鋭の若手アーティストまで、現代アートの「いま」を感じられる作品が並ぶ。
会期中は数多くのプログラムやトークイベント、パフォーマンスが開催されるが、せっかく横浜へと足を伸ばすなら、近隣のアートスペースもチェックしたいところ。ここでは、Tokyo Gendai期間中からこの秋にかけて横浜周辺で開催されている展覧会の中から、編集部のおすすめを5つ紹介する。
*Tokyo Gendaiの詳細はニュースから
アートシーンにおいて、美術館や画廊とは異なり、それらから相対的に自立したアートスペースはオルタナティヴスペースと呼ばれる。本展では、東南アジア、東アジア、日本を拠点とし、それぞれ独自の活動を展開するオルタナティブスペースやアートコレクティヴが集結。約60名の出展者が、来場者と直接交流を交わしながらアーティストや作品を紹介する。また、会期中は毎日異なるアーティストがパフォーマンスを実施。オルタナティヴなアートシーンにおける、アジアの現在を直に感じられる機会となるだろう。
会場:Art Center NEW
会期:9月12日〜9月14日
戸田沙也加は画家としてキャリアをスタート。近年は写真や映像インスタレーションなどの技法を使い、その世界観を表現している。2021年からはカンナの花と、ロシアから日本に移住した友人をモチーフに作品を制作。このふたつのモチーフは、いまの日本で「平和」や「異なる地から海を越えてこの島国に根付き自生するもの」を考えるきっかけとなったという。本展では、戦争の時代を生きたふたりの画家、小川原脩とジョアン・ミロの思いに着想を得て制作された、新作が展示されている。
また横浜美術館では、大人気を博している「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」も11月3日まで開催中。
会場:横浜美術館
会期:6月28日〜11月3日
ディープな飲み屋が立ち並ぶ野毛エリアのさらに奥に位置する黄金町。戦後、「暗黒街」「ちょんの間」と呼ばれる風俗街として栄えたこの街は、現在アーティスト・イン・レジデンスが盛んに行われている場所でもある。本展は、アートとコミュニティの関係、アジアとの交流をテーマに2008年より開催されているアートフェス。レジデンス中の作家はもちろん、海外拠点からの推薦、公募などによって集められたアーティストの自主作品展示を見ることができる。
会場:黄金スタジオ
会期:9月11日〜10月13日
「新・今日の作家展」は、1964年の開館以来、横浜市民ギャラリーが40年にわたり開催した「今日の作家展」を継承し、同時代の表現を紹介、考察する展覧会。今回は穴をあける、物事の本質や人情の機微に巧みに触れる、という意味を持つ「穿つ」をキーワードに、眼前や周囲にある物事をよく見ることから発したテーマを各自の視点と手法で掘り下げ、表現を展開する作家を紹介する。参加アーティストは畑山太志、早川祐太、松原茉莉。
会場:横浜市民ギャラリー
会期:9月13日〜10月6日
美術家・梅津庸一が主宰を務める美術の共同体「パープルーム」が、神奈川県郊外のダイエー海老名店にパープルームギャラリーを新装開店。当初は主に「美術予備校」を標榜し、既存の美術制度に挑戦し続けてきたパープルルームだが、今回はその新たな一手としてショッピングセンターへのギャラリー出店を果たした。こけら落とし展では、20〜90代の約40作家の作品を紹介。これまでパープルームと伴走してきたアーティストをはじめ、地元ゆかりのアーティストなども集結。横浜から電車で30分と、少し思い切って足を伸ばさなければならないが、ぜひ目撃してほしい現代美術の新動向がそこにある。TABでは店長の梅津庸一へのインタビューも公開中。レポートはこちら。
会場:パープルームギャラリー
会期:8月25日〜9月28日