公開日:2025年12月3日

大英博物館コレクション、日本美術の傑作たちが東京都美術館に大集合! 2026年に大規模展「百花繚乱〜海を越えた江戸絵画」開催へ

喜多川歌麿、葛飾北斎、河鍋暁斎、円山応挙……ロンドン・大英博物館の日本美術コレクションが東京都美術館に集まる!

円山応挙 虎の子渡し図屏風 江戸時代・1781~1782 大英博物館蔵 © The Trustees of the British Museum

開館100周年を記念した特別展を開催

東京都美術館は、開館100周年を記念した特別展「大英博物館 日本美術コレクション 百花繚乱 〜海を越えた江戸絵画」を、2026年7月25日〜10月18日に開催する。同展は会期終了後、大阪中之島美術館(2026年10月31日〜2027年1月31日)へ巡回予定。

1753年にロンドンで開館した大英博物館は、世界屈指の総合ミュージアムとして知られ、その日本美術コレクションは約4万点にのぼる。海外でももっとも包括的と評されるコレクションから、江戸時代の屏風・掛軸・絵巻、そして浮世絵版画を中心に、精選された名品が披露される。

また、2024年9月には、青森県中泊町の宮越家に伝わる襖絵と、大英博物館が所蔵する襖絵がじつは一連の作品だったことが判明し、美術界の関心を集めた。本展には大英博物館所蔵《秋冬花鳥図襖》が来日し、さらに宮越家、そして表裏の関係にあったシアトル美術館所蔵の襖絵が特別出品される。互いに別の所蔵者のもとに渡って以来およそ150年ぶりに、三者の襖絵が“奇跡の再会”を果たす。

秋冬花鳥図襖 桃山時代末~江戸時代初め 大英博物館蔵 © The Trustees of the British Museum
桜井香雲 法隆寺金堂壁画 九号壁 模本 明治時代・1880 大英博物館蔵 © The Trustees of the British Museum
大英博物館外観 © The Trustees of the British Museum

本展では、大英博物館の日本美術コレクションの魅力を多角的に紹介する構成が組まれている。まず注目したいのは、同館のコレクション形成に関わった5人の人物に焦点を当て、多彩なジャンルの作品を通してその発展の背景をひもとくセクションだ。世界の知の殿堂が日本美術をどのように受容し、収集してきたかを立体的に感じ取ることができる。

さらに、イギリスからの“初里帰り”作品も多数登場する。円山応挙《虎の子渡し図屏風》や、英国ジョージ王子(のちの国王ジョージ5世)と久保田米僊の合作《蛍図》など、歴史的交流を示す名品が揃うほか、《法隆寺金堂壁画 九号壁 模本》や前述の《秋冬花鳥図襖》など、近年の調査で注目を集めた作品にも光が当てられる。

英国ジョージ王子(のちの国王ジョージ5世) 久保田米僊 蛍図 明治時代 1881 大英博物館蔵 © The Trustees of the British Museum
喜多川歌麿 文読む遊女 江戸時代・1805~1806 大英博物館蔵 © The Trustees of the British Museum

また、国外屈指の質を誇る大英博物館の浮世絵コレクションからは、歌麿・写楽・北斎・広重ら江戸を代表する8大絵師を中心に、100点以上の版画を展示。あわせて菱川師宣、喜多川歌麿、鳥文斎栄之、葛飾北斎、河鍋暁斎らによる貴重な肉筆画も多数公開されるなど、江戸絵画の多彩な表現を一望できる内容となっている。

メインポスター

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