世界的ファッションデザイナーであるNIGO®(1970〜)は、銀行家であり陶芸家でもあった三重県出身の川喜田半泥子(1878〜1963)をかねてより敬愛し、半泥子作品のコレクターとしても知られている。またここ10年は茶道に精進し、半泥子が開いた廣永窯(現仙鶴窯)をはじめとする全国各地の窯元を訪ね、茶碗作りに勤しんできた。本展はそんな両者が時を超え、「茶の湯の茶碗」を介して出会う展覧会。半泥子が設立した財団法人石水会館を母体とし、半泥子の本拠地であった三重県津市・千歳山に位置する石水博物館で、NIGO®が蒐集した半泥子作品55点と、NIGO®の自作茶碗25点を一堂に展示する。
会場:石水博物館
会期:11月15日〜2026年1月12日
1970年、メキシコシティ生まれのボスコ・ソディは、現在ニューヨーク、バルセロナ、ベルリン、メキシコシティを拠点に活動する現代アーティスト。絵具だけでなく、木材や土、岩などの自然素材を用い、表面のひび割れを特徴とする絵画やインスタレーションで知られる。本展では作家が「人類の進化とともにあり、私たちのDNAに息づいている」と述べ、「生命の本質である」とする火のエネルギーをテーマにした作品が展示されている。
会場:MtK Contemporary Art
会期:11月12日〜12月13日
日本を代表するアーティストのひとりである草間彌生。ルイ・ヴィトンとの大規模なコラボレーションなども行う作家の展覧会が、エスパス ルイ・ヴィトン大阪で開催されている。画家、彫刻家、パフォーマンス・アーティスト、小説家、ファッションデザイナーなど、キャリアにおいて多様な創造的エネルギーを発揮してきた草間だが、本展では彼女が国際的なアートシーンに登場した初期の作品から近年の作品まで、長い年月におよぶ作品群を紹介。その幅広い創作活動を示すだけでなく、1960年代初頭のニューヨーク時代から現在まで一貫して創作を導いてきた主題のつながりや、その創作の軌跡が日本およびアメリカの美術史における主要な潮流とどのように関わってきたかを浮かび上がらせる。展覧会レポートおよび文筆家の伊藤亜和によるテキストを公開中。
会場:エスパス ルイ・ヴィトン大阪
会期:7月16日〜2026年1月12日
前衛美術家・白髪富士子の歩みを回顧する展覧会。1928年に大阪で生まれた白髪富士子(旧姓・植村)は、20歳のときに京都市立美術専門学校の卒業を間近に控えた白髪一雄と結婚し、翌年に長男を出産。子育てをしながら白髪の絵画制作を間近に見るうちに自身も創作に目覚めて作品制作を始め、1955年に白髪とともに前衛美術グループ「具体美術協会(具体)」に入会。本格的に制作発表を行う。和紙やガラスなどの素材を用いた作品で注目を集めるが、白髪一雄の評価が高まり多忙となったことから、1961年に自身の創作活動を終え、以降は白髪のアクション・ペインティングを補佐し、ともに制作に取り組んだ。本展では、短いあいだながら前衛美術家として才能を発揮した白髪富士子の作品を、白髪一雄とあわせて展示する。
会場:尼崎市総合文化センター 白髪一雄記念室
会期:11月15日〜2026年3月22日
2005年に日本人として初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞するなど、世界で高い評価を受けるアーティスト、荒井良二の展覧会が神戸に巡回。本展では、これまで絵本だけでなく、絵画、音楽、舞台美術、芸術祭の芸術監督など幅広い創作を展開してきた荒井の「いままで」と「これから」を語る作品群を作家自身が再構成して紹介する。絵画や絵本原画、イラストレーション、新作の立体インスタレーション、愛蔵の小物などを通して、旅をするように活動の幅を広げてきた荒井の軌跡と現在地を展覧する。
会場:神戸ゆかりの美術館
会期:10月11日〜12月21日