公開日:2025年5月13日

佐藤雅彦の「作り方」を解き明かす──横浜美術館で世界初の大規模個展「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」が開催

「ピタゴラスイッチ」「バザールでござーる」「だんご3兄弟」などヒット作多数。表現者・教育者として世に送り出してきたコンテンツを一堂に紹介する。会期は6月28日〜11月3日

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佐藤雅彦の初となる大規模個展が横浜で

横浜美術館はリニューアルオープン記念展として、6月28日から「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」(読み:さとうまさひこてんあたらしいつくりかたとあたらしいわかりかた)を開催する。会期は11月3日まで。

左:だんご3兄弟(NHK「おかあさんといっしょ」 より) 右上:フレーミー 右下:ぼてじん(上下ともにNHK「ピタゴラスイッチ」より) 画像提供:横浜美術館

「ピタゴラスイッチ」「バザールでござーる」「だんご3兄弟」「スコーン」「モルツ」「ポリンキー」「I.Q IntelligentQube」など、日本のメディア文化において広く親しまれてきた数々の作品の生みの親・佐藤雅彦。本展は、その約40年にわたる創作活動を初めて本格的に総覧する、世界初の大規模個展である。

上:ポリンキーの秘密(湖池屋) 下:バザールでござーる(NEC) ともにアドミュージアム東京所蔵

表現者として、また教育者として唯一無二のキャリアを築いてきた佐藤。「私は作り方を作っているんです。作り方が新しければ、出来たものはおのずと新しいものになります」と語るように、その創作の核を「作り方」と「分かり方」に据えてきた。CM、教育番組、ゲーム、映画、書籍、さらには大学での研究活動に至るまで、ジャンルを横断したアウトプットには、すべて独自のコミュニケーションデザインが貫かれている。

イデアの工場(DNP)

展覧会では、代表作の展示はもちろん、作品が生まれるまでのプロセスやその背景にある理論、思考方法にまで踏み込む構成となる。観客は「懐かしい」「知っている」から始まり、「同じ人が作ったのか」「こんなことまでしていたのか」と、連続する驚きと発見のなかで、「伝える」ための方法論としてのアートの可能性に触れることになるだろう。

佐藤雅彦 撮影:STUDIO DUNK

本展は、リニューアルを経た横浜美術館の新たな方向性──「テーマとジャンルの多様性」の体現でもある。展示室に並ぶのは、従来の美術の枠を超えた作品群でありながらも、ひとりの作り手の思想と感性に貫かれている。その意味で本展は、「アートとは何か」という問いをも静かに投げかける試みでもある。

計算の庭(桐山孝司との共作) 森美術館「六本木クロッシング2007」展示風景

なお、展覧会公式図録『作り方を作る』(左右社)は、佐藤本人の書き下ろしによる1冊。6月28日より館内ミュージアムショップで販売開始予定だ。

「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」
会期:6月28日〜11月3日
会場:横浜美術館
開館時間:10:00〜18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:木曜日
観覧料:一般 2000円、大学生 1600円、高校・中学生 1000円、小学生以下無料
※その他割引あり。詳細は美術館ウェブサイト参照。
URLhttps://yokohama.art.museum/exhibition/202506_satomasahiko

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