公開日:2024年9月4日

週末みたい展覧会5選。今週は銀座メゾンエルメスで始まる内藤礼「生まれておいで 生きておいで」や「フェミニズムと映像表現」など【9月第1週】

毎週更新。TABが取材した展覧会や、編集部が注目する展覧会をピックアップ。今週は銀座メゾンエルメスへと展開する内藤礼の個展や、畠山直哉、ハルーン・ミルザ、芹沢銈介の個展、「フェミニズムと映像表現」など。

【東京】内藤礼 「生まれておいで 生きておいで」(銀座メゾンエルメス)

「自然と日常」「生と死」といった主題をもとに制作を続けるアーティスト・内藤礼。本展は、東京国立博物館で開催中の同名の展覧会(〜9月23日)と連携した展覧会であり、ふたつの会場で展開される内藤の作品空間は円相のようなつながりを持つ。縄文時代の「土版」にインスピレーションを受け、今回の一連の展示構成を思いついたという内藤。会期の重複は2週間しかないため、東京国立博物館での展示をまだ見に行けてない方も、ぜひこの機会に訪れてみてはいかがだろうか。また、TABではアーティストへのインタビューも公開中。こちらも展覧会の前後に読んでみてほしい。

会場:銀座メゾンエルメス
会期:9月7日〜2025年1月13日

【東京】「フェミニズムと映像表現」(東京国立近代美術館)

1960~70年代にかけて、テレビやヴィデオ・カメラが登場すると、アーティストたちはたちまちそれらを表現のなかに取り入れるようになった。また、同時期にひろがった社会運動のひとつであるフェミニズムにおいても、映像表現による社会的慣習やマスメディアの一方的な表象に対する抵抗を見ることができる。本展は、このような時代背景をもとに、1970年代から現代までの映像表現を、作品鑑賞の補助線となるいくつかのキーワードを通じて紹介する展覧会だ。参加アーティストはマーサ・ロスラー、ダラ・バーンバウム、塩田千春、遠藤麻衣、百瀬文ほか。

会場:東京国立近代美術館
会期:9月3日〜12月22日

【東京】「生誕130年 芹沢銈介の世界」(日本民藝館)

自由な色彩感覚と、明快かつ温和な作風で知られる染色家の芹沢銈介。身辺の品々などを日々スケッチしていた彼の日常への眼差しに裏打ちされた作品は、日本国内のみならずフランス・パリなどでも高く評価されていた。本展では、彼が生涯を通じて制作した染色品のほか、柳宗悦が「本当の美しさがわかっている」と評する芹沢の蒐集なども展示される。来年、生誕130年を迎える芹沢の手と眼の世界を堪能できるような機会となりそうだ。

会場:日本民藝館
会期:9月5日〜11月20日
ミューぽんで200円OFF!(1名まで割引)

【東京】畠山直哉 「津波の木」(タカ・イシイギャラリー)

自然・都市・写真の関わり合いに主眼を置きながら、豊かな詩情をもって鑑賞者に届けられる作品で世界的に高い評価を得るアーティストの畠山直哉。タカ・イシイギャラリーでは8年ぶりの個展となる本展では、太平洋沿岸部に残された、津波の痕跡をとどめる樹木や風景を記録した作品群「津波の木」から10点、2022年に高知県で撮影された新作「Kochi」より、津波避難タワーを被写体とした作品30点が展示される。

会場:タカ・イシイギャラリー
会期:8月31日〜9月28日

【東京】ハルーン・ミルザ 「Ceremonies and Rituals」(SCAI THE BATHHOUSE(スカイザバスハウス))

社会政治的な背景に言及するアシッド・ハウスから、サイマティクスやシャーマニズムの儀式の研究まで、ハルーン・ミルザは音、光、電流を媒体として一貫した探求を続けており、その姿勢は他のアーティストの協働するアプローチによってさらなる広がりを見せている。本展では初公開となる2チャンネル映像のインスタレーション《Cymatic Ceremony》(2024)や近作シリーズ 《Ogdoad Interstellar Magnet(Solar Cell Circuit Compositions)》など、アーティストの近年の活動が紹介される。

会場:SCAI THE BATHHOUSE(スカイザバスハウス)
会期:8月27日〜10月12日

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