公開日:2024年9月21日

週末みたい展覧会5選。今週はDIC川村記念美術館休館前最後の企画展や、Nerhol(ネルホル)の個展など【9月第3週】

毎週更新。TABが取材した展覧会や、編集部が注目する展覧会をピックアップ。今週は西川勝人、Nerhol、デヴィッド・ステンベック、ダニエル・オーチャードの個展や「出光美術館の軌跡 ここから、さきへ」の5選。

【千葉】「西川勝人 静寂の響き」(DIC川村記念美術館)

ドイツを拠点に活動する西川勝人は光と闇、その間の陰影に心を配り、多様な技法を用いた作品を、40年以上にわたり手がけてきたアーティストだ。本展は、1980年代より現在まで、一定して静けさという特質を保持し続ける西川作品の美学に近づこうとする日本初の回顧展。彫刻、写真、絵画、ドローイング、インスタレーション、建築的構造物の約60点が、作家自身の構成によって展示され、一人ひとりが作品世界に没入できるような機会となる。

会場:DIC川村記念美術館
会期:9月14日〜2025年1月26日

【千葉】「Nerhol 水平線を捲る」(千葉市美術館)

Nerhol(ネルホル)は、グラフィックデザイナーの田中義久と彫刻家の飯田竜太によるアーティスト・デュオであり、同じ被写体の写真を積み上げた彫刻作品などで知られている。公立美術館では初の大規模個展となる本展では、ふたりの対話を原点とし、写真と彫刻、自然と人工、言語と図像といった様々な境界を越境する多様な表現を、千葉の土地や歴史にまつわる最新作とともに紹介する。

会場:千葉市美術館
会期:9月6日~11月4日
ミューぽんで100円OFF!(1名まで割引)

【東京】「出光美術館の軌跡 ここから、さきへⅣ 物、ものを呼ぶ—伴大納言絵巻から若冲へ」(出光美術館)

2024年12月からビルの建替計画に伴い休館に入る出光美術館。コレクションを代表する作品が一堂に会する本展では、8年ぶりに公開される国宝《伴大納言絵巻》や、古筆手鑑の代表作《見努世友》、伊藤若冲《鳥獣花木図屏風》など、同館のコレクションの顔とも言える名品が展示されている。

会場:出光美術館
会期:9月7日〜10月20日
ミューぽんで200円OFF!(2名まで割引)

【東京】デヴィッド ステンベック 「Romantic Youth」(SNOW Contemporary)

デヴィッド・ステンベックは3DCGを用いた幻想的で詩情ゆたかな作品を制作するデジタル・アーティスト。dovneonというInstagramアカウントで作品を発表し、様々なファッションブランドや企業とのコラボレーションを行う。日本で2回目の個展となる本展では、新作を含む17点が公開され、東京、麻布台のWALL_alternativeで同時開催中の「Temporary Monuments」と合わせると、ステンベックの集大成とも言えるボリュームの展示となる予定だ。

会場:SNOW Contemporary
会期:9月13日〜11月10日

【東京】ダニエル・オーチャード 「MOTHER OF GLOOM」(ギャラリーペロタン東京)

ペロタン東京では、同ギャラリー初となるダニエル・オーチャードの個展が開催中。伝統的な油絵技法を専門とし、美術史における具象絵画の系譜に位置付けられる彼女の作品は、形式主義的な絵画技法を用いながらも、まだ見過ごされがちな母親たちの複雑な体験を見事に描ききっている。本展で公開される新作群は、等身大の母性像を可視化するのみならず、流産と不妊、妊娠と出産を経験した彼女自身の体験にもとづく、母性体験の複雑さを伝えるものだ。

会場:ギャラリーペロタン東京
会期:9月12日〜11月10日

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