本格的な夏の訪れを感じ始めた7月。東京では、無料で楽しめる魅力的な展覧会が多数開催されている。今月はジェンダーギャップに抗う広告展や、大滝詠一のナイアガラ・レコード展から、プシュパマラ・N、MES、千葉正也、小宮りさ麻吏奈の個展、AKI INOMATA + 小笠原美環のふたり展まで、アートファン必見の展覧会がめじろ押しの月となった。
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フランスのファションブランド、エルメスが運営するギャラリーで開催される現代アートのグループ展。「社会的身体」をテーマに、フランス、イギリス、ベルギー、イタリア、ギリシャ、ルーマニア、アメリカ、日本出身の13人のアーティストの作品が紹介される。
会場:銀座メゾンエルメス
会期:7月19日〜10月12日
休館日:水曜日
開幕前からSNSで話題となった、ジェンダーと広告にまつわる展覧会。日本で唯一の広告を専門としたミュージアムに、ジェンダーギャップの問題に立ち向かった広告事例約60点が大集合した。展示構成は「声をあげてみる」「問いかけてみる」「決めつけをやめてみる」「新しくしてみる」など、問題に対するアプローチごとに区切られている。
会場:アドミュージアム東京
会期:6月25日〜8月30日
休館日:月曜日、日曜日(ほか不定休あり)
インドの現代アート界を代表するアーティストのひとり、プシュパマラ・N。芸術や大衆文化、歴史を鋭く見つめ、女性像の構築や国家の枠組みに問いを投げかける作品を通して、国際的にも高く評価されている作家の日本初個展。
会場:シャネル・ネクサス・ホール
会期:6月27日〜8月17日
休館日:なし
ミュージシャン・大滝詠一によるレーベル「ナイアガラ・レコー ド」の50周年を記念した特別企画展。色褪せることのないアートワークの数々はもちろん、大滝の愛したアイテムたちや貴重な資料・原稿などを間近で見ることができる。
会場:New Gallery
会期:7月11日〜8月3日
休館日:月曜日(7月21日は開廊)
日本を代表するマンガ家であり、傷病者でもある水木しげる(本名:武良茂)。戦地パプアニューギニアでの軍隊生活と受傷病、現地の人びととの交流や、代表作『総員玉砕せよ!』『昭和史』などの作品に描かれることとなった水木の戦争体験を通覧する。
会場:しょうけい館(戦傷病者史料館)
会期:6月3日〜10月13日
休館日:月曜日(7月21日、8月11日、9月15日は開館/7月22日、8月12日、9月16日は休館)
2024年にはNHK連続テレビ⼩説『虎に翼』のオープニング映像を担当したことでも知られるシシヤマザキの個展。新作アニメーション作品や、その作品と共鳴する絵画、陶芸作品を通じて、現在進行形のアーティストの世界を体感できる内容となっている。
会場:art cruise gallery by Baycrew's
会期:6月27日〜8月11日
休館日:なし
ナイトクラブ、そして現代アートの世界を舞台に活躍する、新井健+谷川果菜絵によるアーティストデュオMESの約1年ぶりとなる個展。2011年の東日本大震災で津波から生き残った豚「ホープフルピッグ」を契機として、人間と動物、そして飼う/飼われるという関係そのものを問い直すような展覧会となりそうだ。
会場:7月4日〜7月27日
会期:Gallery Restaurant 舞台裏
休館日:月曜日(7月21日は開館/7月22日は休館)
鑑賞者の絵画体験を刷新する試みを続ける現代アーティスト、千葉正也の個展。2021年にウィーンのギマレスで予定されていた、かつて馬小屋だった空間を改装した展示スペースでの展示計画をもとに制作された「絵画と野菜」シリーズの作品が展示される。
会場:シュウゴアーツ
会期:6月28日〜8月2日
休館日:月曜日、日曜日、祝日
自身の身体を起点とし、クィア的視座から浮かび上がる新たな時間論への関心から「新しい生殖・繁殖の方法を模索する」ことをテーマにしたパフォーマンスや映像、 場所の運営、マンガ表現など、メディアにとらわれず活動の幅を広げてきた小宮りさ麻吏奈。今回は、かねてより続けてきた細胞培養、とくに培養肉にまつわるリサーチをインスタレーション作品として発表する。
会場:WHITEHOUSE
会期:7月5日〜7月27日
休館日:月曜日、火曜日(7月21日は開廊)
AKI INOMATAと小笠原美環によるふたり展。それぞれの視点から「空」をテーマとした作品を出品する本展では、AKI INOMATAがグラスの中に空を封じ込めたアーカイバルな彫刻作品を、小笠原美環は無限の広がりを感じさせる空を描いた大作を発表した。
会場:MAHO KUBOTA GALLERY
会期:6月27日〜7月26日
休館日:月曜日、日曜日、祝日