戦後から現在まで第一線で活動し、書の構造と歴史を読み解きながら独自の表現を展開し続けてきた石川九楊。評論家としても活躍しており、これまでに2000点を超える作品と100点を超える著作を制作している。現在放送中のNHK大河ドラマ「べらぼう」の題字を揮毫したことでも知られる。本展は会期を前期・後期に分け、5月からスタートしている後期展示では、書業の最初期から最新作までを展観する。Tokyo Art Beatでは、本展を各界のクリエイターが鑑賞したフォトレポートを公開中。
会場:思文閣
会期:4月18日〜6月14日
2023年に町田の版画工房カワラボで版画の制作を始め、これまでに数百点の作品を生み出してきた梅津庸一。梅津にとって版画制作とは工房との協働であると同時に、先行世代が残した作品への応答でもあり、実演を伴う批評行為としてもとらえているという。本展は、梅津の版画作品と、アートゾーン神楽岡が収集してきた1万5千点にもおよぶ版画コレクションから選んだ作品との対話を試みるもの。コレクションからの出展作には、山本容子、島田章三、カール・コーラップ、パウル・ヴンダーリッヒといった作家の作品が含まれる。
会場:アートゾーン神楽岡
会期:6月7日〜7月6日
2025年、大阪では2回目となる万国博覧会が開催されている。万博の歴史は1851年に開催されたロンドン万博に遡るが、「もの」を見せる催しだった初期に対し、第二次世界大戦以降は「体験を提供する」エンタテインメント型の展示場へと変化し、さらに1958年のブリュッセル万博以降は、全体の基本理念となる統一テーマをより重視するようになる。本展ではそうしたテーマの変遷も反映された万博のポスターを展示。現代的な万博の走りとなった1958年ブリュッセルから、2020年ドバイまでの10回の登録(一般)博覧会に、沖縄、つくばの2回の認定(特別)博覧会と大阪(国際園芸博覧会)を加えた、計13回の万博のポスターを通して、個々のテーマに込められた理念や目的をグラフィックからたどる。
会場:京都dddギャラリー
会期:6月13日〜8月20日
関西ゆかりの若手アーティストの発表と鑑賞の場を創出する「Kansai Art Annual 2025」。現代美術に特化したアートフェア「ART OSAKA」を運営してきた一般社団法人日本現代美術振興協会(APCA)が、心斎橋PARCOと協働し、新たに立ち上げたイベントだ。初開催となる今回は、「コラボレーション(Collaboration)」を意味する「CO」をタイトルに掲げ、厚地朋子、岡本啓、神出謙、菊池和晃、栗棟美里、宮田彩加、ユーダイという7名のアーティストによる作品を紹介する。詳細はこちらのニュース記事から。
会場:心斎橋PARCO 9F EVENT SPACE
会期:5月23日〜6月22日
日本のプロ野球球団のなかでも戦前から歴史を持つ球団のひとつである阪神タイガース。グラフィックデザイナーの早川源一が生んだ虎のマークも長い歴史を持つ。本展では、阪神甲子園球場を含む阪神電鉄の沿線開発の歴史を皮切りに、グラフィックデザイン、ファッションデザイン、試合結果をデザインとして表現したインフォグラフィックスなど野球にまつわる様々なデザインを紹介。ネーミングとキャラクターによって戦前期からファンを魅了した阪神タイガースのデザインをひもとく。
会場:西宮市大谷記念美術館
会期:5月31日〜7月27日