公開日:2025年10月30日

【2025年秋】京都のおすすめ展覧会20選。注目のアートフェアや現代アート、日本美術まで

この秋、京都で見たい注目の展覧会をジャンル別に紹介!

美しい紅葉、豊かな食、芸術文化など、秋の京都は様々な魅力を満喫できる特別な季節。11月中旬には、「Art Collaboration Kyoto 2025」「CURATION⇄FAIR Kyoto」といった大規模アートフェアが開催され、多くのアートファンを惹きつける。ここでは日本美術からデザイン、現代アートまで、この秋、京都で見たい20の展覧会をピックアップ。紅葉狩りと美術館巡り、京都ならではの贅沢な時間を過ごしてみてはいかがだろうか。

  1. ◎アートフェア
  2. 「Art Collaboration Kyoto 2025」(国立京都国際会館ほか)
  3. 「CURATION⇄FAIR Kyoto」(大本山 妙顕寺)
  4. ◎日本美術・仏教美術
  5. 「民藝誕生100年—京都が紡いだ日常の美」(京都市京セラ美術館)
  6. 「宋元仏画─蒼海(うみ)を越えたほとけたち」(京都国立博物館)
  7. 「仏教と夢」(龍谷ミュージアム)
  8. 「上村松園と美人画の軌跡」(福田美術館)
  9. 「浮世絵と美人画の軌跡」(嵯峨嵐山文華館)
  10. ◎現代アート
  11. 「Art Rhizome KYOTO 2025 『逆旅京都 2』」(京都市内各所)
  12. 「Lightseeing Kyoto South」(京都市内各所)
  13. 「キュレトリアル・スタディズ16: 荒木悠 Reorienting ―100年前に海を渡った作家たちと―」(京都国立近代美術館)
  14. アルベルト・ヨナタン・セティアワン 「CONSONANCE」(イムラアートギャラリー|京都)
  15. ◎写真・映像、メディアアート
  16. 「WAVE WEAVE ― 音と織物の融合」(HOSOO GALLERY)
  17. チームラボ バイオヴォルテックス 京都
  18. デニス・モリス「Music + Life」(アニエスベー京都BAL店)
  19. 「About time Sarah Moon 展」(何必館・京都現代美術館)
  20. ◎デザイン・マンガ
  21. 「マンガと戦争展2」(京都国際マンガミュージアム)
  22. 「C-GRAPHIC/TAIPEI 2020年代台北のグラフィックデザイン」(京都dddギャラリー)
  23. ◎西洋・東洋美術、日本近代絵画
  24. 「美術館で大航海 ! ~コレクションをたどって世界一周~」(アサヒグループ大山崎山荘美術館)
  25. 「生誕151年からの鹿子木孟郎 -不倒の油画道-」(泉屋博古館)
  26. 「没後50年 堂本印象 自在なる創造」(京都国立近代美術館)

◎アートフェア

「Art Collaboration Kyoto 2025」(国立京都国際会館ほか)

「コラボレーション」をコンセプトにした国際的アートフェアが5回目の開催。国内のギャラリーが海外のギャラリーをゲストに迎え、1つのブースをシェアして出展する「ギャラリーコラボレーション」と、京都にゆかりのあるアーティストや作品を紹介する「キョウトミーティング」から構成され、今年は19の国と地域から初参加を含む計72ギャラリーが出展する。さらにパブリックプログラムでは、マーティン・ゲルマンと木村こころをゲストキュレーターが務め、「シンビオーシス:アート、そして共に生きる世界」をテーマに据えてセレクトした作品による展示を行う。詳細はニュース記事から。

会場:国立京都国際会館ほか
会期:11月14日〜11月16日

「CURATION⇄FAIR Kyoto」(大本山 妙顕寺)

美術のアカデミックな領域とマーケットの循環を促進することを目指す「CURATION⇄FAIR」が京都で初開催。紅葉の名所としても知られる大本山・妙顕寺を舞台に、約20軒の出展者が古美術や近現代工芸、近代洋画から現代美術までの多様な作品を展示販売する。来場者は、美術評論家・清水穣によるテキストを手掛かりに、作品の鑑賞と購入を楽しむことができる。さらに東本願寺の飛地境内にある「渉成園」をサテライト会場とし、現代工芸作品を中心とした併催展覧会も実施。詳細はニュース記事から。

会場:大本山 妙顕寺
会期:11月16日〜11月18日

◎日本美術・仏教美術

「民藝誕生100年—京都が紡いだ日常の美」(京都市京セラ美術館)

「民藝」という言葉が誕生するきっかけとなった木喰仏をはじめ、黒田辰秋、青田五良の作品、「民藝館」「三國荘」のために制作された河井寬次郎、濱田庄司、バーナード・リーチらの工芸作品、柳宗悦らによる日本全国の蒐集品や、芹沢銈介、棟方志功などの民藝関連作家の優品が一挙展示される。さらに、京都における民藝運動の推進者や支援者をめぐる作品や資料も展覧し、京都と民藝との関わりを総合的に紹介する。レポート記事を公開中。

会場:京都市京セラ美術館
会期:9月13日〜12月7日

「宋元仏画─蒼海(うみ)を越えたほとけたち」(京都国立博物館)

中国の宋と元の時代に制作された仏教絵画「宋元仏画」の展覧会。平安時代後期から鎌倉時代を中心に、中国から日本にもたらされた宋元仏画には、中国の絵画史上でも特筆される、極めて高い水準を持つものが多く含まれ、寺院で祀られたり、絵師が手本にしたりと、長い時間をかけて日本文化に深く浸透してきた。本展では、国内に所蔵される宋元仏画を集めて展示。描かれた内容や制作年代、地域、携わった人々などによって多彩な様相を見せる宋元仏画を、制作当時の文脈に照らしながら紹介する。

会場:京都国立博物館
会期:9月20日〜11月16日

「仏教と夢」(龍谷ミュージアム)

仏教で最初に「夢」について説かれたのは、仏母摩耶夫人が見た釈尊誕生にまつわる「托胎霊夢」の物語だという。本展では、誰もが見る「夢」が、仏教の世界観のなかでどのように扱われたのかに迫る。「夢と霊験譚」「仏教経典に説かれる夢」「玄奘三蔵はじめ東アジアの高僧らがみた夢」「儀礼と夢」「夢と聖地」というテーマのもと、仏教と夢の関わりをひもとく。

会場:龍谷ミュージアム
会期:9月20日〜11月24日

「上村松園と美人画の軌跡」(福田美術館)

キャリアのなかで一貫して美人画を展覧会に出品し続けた上村松園(1875~1949)。生涯をかけて美人画の可能性や理想の美を追求した松園の芸術は、後に続く作家の憧れとなり、数多くの美人画専門の日本画家たちの出現にもつながった。生誕150年の今年開催される本展では、国内有数の美人画コレクションを持つ福田美術館の所蔵品から、松園をはじめとする作家たちの作品を展示。近代の美人画の軌跡を紹介する。

会場:福田美術館
会期:10月11日〜2026年1月18日

「浮世絵と美人画の軌跡」(嵯峨嵐山文華館)

嵯峨嵐山文華館では、上村松園の生誕150周年に際し、福田美術館と連携して浮世絵や美人画を取り上げる展覧会を開催。福田コレクションの肉筆浮世絵や京都の風俗画、近代美人画を展示し、歌舞音曲など江戸文化の魅力を、「心浮き立つ」浮世の世界とともに紹介する。出品作家は、円山応挙、鳥文斎栄之、歌川国貞、鳥羽広丸、文斎蛾媚丸、祇園井特、上村松園、鏑木清方、伊東小坡、伊東深水、大林千萬樹、栗原玉葉、中村貞以ら。

会場:嵯峨嵐山文華館
会期:10月11日〜2026年1月18日

◎現代アート

「Art Rhizome KYOTO 2025 『逆旅京都 2』」(京都市内各所)

「Art Rhizome KYOTO」は、京都にゆかりのあるアーティストの作品を宿泊施設やカフェなどのスペースに展示し、多くの人々がアートに触れられる機会を創出するイベント。5回目の開催となる今回は、宿泊施設、商業施設、公共空間など文化と歴史が息づく京都市内の10会場を使って、作品の展示販売を行う。「逆旅」は宿を意味する言葉で、「逆旅京都」には、様々な人・もの・出来事を迎え入れてきた京都全体を宿のようなものとしてとらえるイメージが込められている。レポート記事を公開中。

会場:Sferaほか
会期:9月13日〜11月18日

「Lightseeing Kyoto South」(京都市内各所)

京都駅東部・東南部エリアを舞台に、京都で活動する若手アーティスト・キュレーターによる作品展示やワークショップなどを開催する周遊型アートイベント。大倉佑亮、渡邊賢太郎がキュレーターを務める。「地域にある光と、新たな光へのまなざし」をコンセプトに、地域の人々とアーティストの対話や協働を取り入れ、人と人、人と環境のあいだに新たな関係性を育み、アートが街の風景に自然と溶け込むことを目指している。レポート記事を公開中。

会場:hatoba cafeほか
会期:10月4日~11月16日

「キュレトリアル・スタディズ16: 荒木悠 Reorienting ―100年前に海を渡った作家たちと―」(京都国立近代美術館)

京都を拠点に活動するアーティスト・映画監督の荒木悠。3歳のときに初めてアメリカに渡り、絵によって現地の友人たちとコミュニケーションをとりながら、やがて美術作家として活動を始め、現在も国や都市、地域間の行き来を続けている。本展では、荒木をゲストアーティストに迎え、新作・旧作と作家の越境する眼差しを、美術館のコレクションから学芸員が選んだ国吉康雄(1889〜1953)、石垣栄太郎(1893〜1958)、野田英夫(1908〜1939)という3名の「日系移民作家」の作品に重ねる。

会場:京都国立近代美術館
会期:10月7日〜12月7日

アルベルト・ヨナタン・セティアワン 「CONSONANCE」(イムラアートギャラリー|京都)

インドネシア出身のアーティスト、アルベルト・ヨナタン・セティアワンは、バンドン工科大学視覚芸術専攻修士課程を修了後、京都精華大学大学院芸術研究科博士課程にて博士号を取得。大学院在籍時から京都で8年間にわたって活動を行い、現在は東京を拠点としている。本展では、作家の代名詞ともいえる、テラコッタを素材に制作されたパーツを壁面に展開する作品群を展示。展覧会のタイトル「CONSONANCE」には、一つひとつのパーツが組み合わさって作品になり、またその作品同士がギャラリー空間で調和する、という意味が込められているという。

会場:イムラアートギャラリー|京都
会期:11月8日〜11月29日

◎写真・映像、メディアアート

「WAVE WEAVE ― 音と織物の融合」(HOSOO GALLERY)

本展では、元禄元年の創業以来、革新的なテキスタイル制作に取り組むHOSOOと、カールステン・ニコライのコラボレーションによる新作インスタレーション《WAVE WEAVE》を公開。旧東ドイツの織物産業の中心地に生まれ育ったニコライは、1940〜60年代に制作された織物の紋意匠図のコレクションを1000点以上所有するなど、織物の技法や、その起源について長年にわたって強い関心を寄せてきた。今回は、西陣織における伝統技法と西洋の現代的な技術の融合に注目すると同時に、織物が時間を内包する媒介的存在であることから強いインスピレーションを得て新作を制作。展覧会は、映像作品《WAVE WEAVE》と織物作品《SONO OBI》という相互に関係する2作品で構成される。

会場:HOSOO GALLERY
会期:11月13日〜2026年3月8日

チームラボ バイオヴォルテックス 京都

チームラボが今秋、京都に新たなミュージアム「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」をオープンさせた。場所は京都駅から徒歩圏内。京都では初の常設展示であり、延べ約1万㎡を誇る広さは、チームラボにとって国内最大規模のミュージアムとなる。「存在の宇宙、認識の宇宙」をテーマに据え、《質量も形もない彫刻》といった日本初公開作品を含む50以上の作品群を体感することができる。詳細はニュース記事から。

会場:チームラボ バイオヴォルテックス 京都
*常設展示

デニス・モリス「Music + Life」(アニエスベー京都BAL店)

レゲエやパンクなど20世紀の音楽シーンと深い関係を持ちながら、ミュージシャンらのアイコニックな写真作品を多数手がけるデニス・モリス。本展では、今年2月にパリ・ヨーロッパ写真美術館での個展「Music + Life」で発表された作品の一部と、関連作品を展示する。ステージ上や舞台裏、そして私的な場面でとらえられた、ボブ・マーリー、リー・ペリー、セックス・ピストルズ、パティ・スミス、ザ・ストーン・ローゼズ、リアム・ギャラガーらの素顔と、音楽の現場の熱気が息づいた作品群が紹介される。

会場:アニエスベー京都BAL店
会期:10月17日〜終了日未定

「About time Sarah Moon 展」(何必館・京都現代美術館)

フランスの写真家サラ・ムーンによる、同館では約10年ぶり、4度目となる展覧会。何必館と共同で企画・出版した写真と童話による物語「CIRCUS」「梟」「赤い糸」「人魚姫」「黒ずきん」を、写真作品と映像作品を交えて展覧する。あわせて同館館長の梶川芳友が作家と交わした書と写真による歳時記「儚──HAKANAI」も紹介される。

会場:何必館・京都現代美術館
会期:10月23日〜2026年5月10日

◎デザイン・マンガ

「マンガと戦争展2」(京都国際マンガミュージアム)

本展は、戦後70年となる2015年に、京都国際マンガミュージアムで制作・開催した「マンガと戦争展」の続編であり、戦後80年の節目に向けて企画されたもの。沖縄と京都の巡回展として、様々な「戦争マンガ」を紹介する。会場では戦争に関わる10のテーマをX軸・Y軸による4象限に分け、対応するマンガ作品を分析するほか、「いま読むべき戦争マンガ」として、沖縄戦をテーマとするマンガを描き続ける新里堅進と、沖縄出身の若手マンガ家・大白小蟹の作品を取り上げる。本展を企画した伊藤遊(京都精華大学国際マンガ研究センター研究員)のインタビュー記事を公開中。

会場:京都国際マンガミュージアム
会期:7月12日〜11月25日

「C-GRAPHIC/TAIPEI 2020年代台北のグラフィックデザイン」(京都dddギャラリー)

本展は、漢字文化圏で活動する現代のグラフィックデザイナーたちを紹介した書籍『C-GRAPHIC INDEX』を起点に、台北を拠点とする10組のデザイナーの声と仕事に光を当てる展覧会。繁体字を使用する台北を中心に、1980~90年代生まれのデザイナーたちによる、文化・芸術分野に関わるグラフィックデザインなどを紹介する。デザイナーたちのバックグラウンドや生活、思想など、作品の実物展示を通して、その多層的な創作背景に触れることができる。

会場:京都dddギャラリー
会期:11月6日〜2026年1月12日

◎西洋・東洋美術、日本近代絵画

「美術館で大航海 ! ~コレクションをたどって世界一周~」(アサヒグループ大山崎山荘美術館)

2026年で開館30周年を迎えるアサヒグループ大山崎山荘美術館。本展では、同館が所蔵する古今東西、様々な時代と地域の作品を一挙公開する。会場では「大航海」をテーマに、日本、朝鮮、中国、中近東、東欧、西欧、アメリカなど、作品を地域や国別に分け、旅をするようにたどっていく。初出品作を含め100件を超える作品が展示されている。レポート記事を公開中。

会場:アサヒグループ大山崎山荘美術館
会期:9月20日〜12月7日
ミューぽんで100円OFF!

「生誕151年からの鹿子木孟郎 -不倒の油画道-」(泉屋博古館)

近代の日本洋画に本格的な「写実」表現をもたらした鹿子木孟郎(1874~1941)の生誕151年を契機に、その足跡をたどる展覧会。現在の岡山市に生まれた鹿子木は、フランス・アカデミスムで学んだ正統的なリアリズムを日本に伝え、その重厚かつ堅牢な油彩画が高い評価を受けた。本展では、10代の頃の初期作品から、パリでジャン=ポール・ローランスに学んだ渡欧作、帰国後の文展や太平洋画会、関西美術院や家塾での活動までを紹介しながら、日本洋画における写実の展開と継承について検証する。

会場:泉屋博古館
会期:9月27日〜12月14日

「没後50年 堂本印象 自在なる創造」(京都国立近代美術館)

堂本印象(1891~1975)の没後50年に際して開催される大回顧展。大正7年(1918)に京都市立絵画専門学校に入学し、大正9年(1920)に西山翠嶂が設立した画塾「青甲社」に入門して研鑽を積んだ堂本は、細密な具象画を持ち味とし、官展を中心に活躍した。60歳を過ぎて渡欧した後は抽象的な作風に移行し、躍動感のある筆のストロークで表現した抽象画を完成させた。本展では、官展出品作などの代表作を中心に画業を振り返り、作家の全貌に迫る。

会場:京都国立近代美術館
会期:10月7日〜11月24日

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