2025年8月開幕のおすすめ展覧会を全国からピックアップ。気になる展覧会はウェブ版でのログインやTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。
*2025年下半期のおすすめ展覧会も公開中:
今年開館30周年を迎える東京都現代美術館が、より多様化する社会のなかで、美術館が果たす役割を問い直す記念展を開催。本展では、ある場所や空間がどのような力学でかたち作られ、変容するのか、それはどのように人々の生き方に影響するのかを、幅広い視点から探求する作品を紹介する。会期中は若手アーティストらによるパフォーマンスやワークショップ、ツアーなども行う予定。また、同期間には「笹本晃 ラボラトリー」展も開催される。詳細はニュースをチェック。
会場:東京都現代美術館
会期:8月23日〜11月24日
ポルトガルの鬼才、映画監督ペドロ・コスタの日本初個展が開催。本展では、ポルトガルで暮らすアフリカ系移民の歴史を照らし出した『ホース・マネー』(2014)など、コスタ作品において重要な役割を担う、ヴェントゥーラをはじめとする登場人物たちや、彼らが生きる場所に関わる映像作品に加え、同館所蔵の写真・映像コレクションも紹介し、映像とイメージの歴史を浮かび上がらせる。
会場:東京都写真美術館
会期:8月28日〜12月7日
本展では、江戸時代に浮世絵師や職人たちを総括し、制作や販売を指揮した版元に焦点を当てる。喜多川歌麿や東洲斎写楽をプロデュースした蔦屋重三郎を中心に、鱗形屋や西村屋与八、鶴屋喜右衛門など数々の名品を世に送り出した江戸の版元たちの業績を紹介。同館が所蔵する歌麿、写楽の作品をはじめ、多彩な作品が展示される予定。
会場:太田記念美術館
会期:8月30日~11月3日
ヨーロッパ初の硬質磁器焼成に成功したマイセンは、多くの名品を世に送り出してきた。本展では、現代マイセンを代表する巨匠ハインツ・ヴェルナーが創造した《アラビアンナイト》《サマーナイト》《ブルーオーキッド》などの名作サービスウェアとプラーク(陶板画)を紹介。夢の世界へと誘うヴェルナーの魅力的なデザインを通して、現代マイセンの美しき磁器芸術の真髄を体感できる貴重な機会となる。
会場:泉屋博古館東京
会期:8月30日〜11月3日
水戸市内原郷土史義勇軍資料館が「現代アート×義勇軍」という新たな記憶継承に挑む展覧会を企画。満蒙開拓青少年義勇軍として旧満州に渡った少年たちの多くが亡くなったとされる悲劇の歴史を、義勇軍隊員を祖父に持つ現代美術作家・弓指寛治が問い直す。弓指は社会や歴史の不条理を鋭く描く作品で注目を集めており、本展では故郷・三重県から送出された五十鈴義勇隊開拓団にスポットを当てた新作を展示。「被害者」であり「加害者」でもある複雑な立場を背負った元隊員たちの物語を、「不成者」というタイトルに込めて描き出す。
会場:水戸市内原郷土史義勇軍資料館
会期:8月1日〜10月26日
開館30周年を迎える千葉市美術館による、現代美術コレクションの集大成展。1991年の建築着工時より継続して収集されてきた戦後美術の多様な展開を、精選された約180点で辿る。近世から現代、房総ゆかりの作品まで幅広くカバーする同館のコレクションは、その独自性と体系性で高い評価を獲得しており、1996年の「Tranquility―静謐」展以来120回を数える現代美術展の蓄積が、今回の充実した内容に結実。参加作家には草間彌生、河原温、田中敦子、中西夏之、河口龍夫、小清水漸、菅木志雄、杉本博司、辰野登恵子、吉澤美香らが名を連ねる。
会場:千葉市美術館
会期:8月2日〜10月19日
『夕凪の街 桜の国』『この世界の片隅に』で数々の賞を受賞したこうの史代の初の大規模原画展。30年間の漫画家人生で築き上げた独自の表現スタイルを、貴重な漫画原画500点以上で辿る。こうの作品の最大の魅力は、4コマ漫画から重厚な戦争ものまで一貫した愛らしいタッチで描きながらも、その線に宿る力強さとしなやかさである。本展では、作家が30年かけて開拓してきた「未踏の漫画表現」の全貌を、原画の筆致から読み解ける貴重な機会となる。
会場:佐倉市立美術館
会期:8月2日〜10月2日
何かに触れたときの思いがけない手触りの驚きは、視覚だけでは読み取れない新たな発見をもたらす。2022年に好評を博した「これってさわれるのかな?―彫刻に触れる展覧会―」の第2弾となる本展では、人や丸・四角などのかたち、木やブロンズで作られた作品など、同館のコレクションから多様なかたちと素材の彫刻を紹介する。なお作品保護のため、触るときには美術館が用意する手袋の着用が求められるとのこと。
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
会期:8月2日〜10月19日
18歳の坂本龍一が1970年の大阪万博で体験した音楽と美術との出会いを起点に、その体験がいかに創作の源泉となったかを辿る展覧会。万博のために制作されたバシェの音響彫刻を展示するとともに、東京藝術大学のバシェ修復プロジェクトチームが坂本のために新たに制作した音響彫刻も公開される。さらに、坂本の演奏データをもとに彼が愛用したグランドピアノで音楽を再生するプログラムも予定されており、坂本龍一の創造の原点に迫る貴重な機会となる。ニュースはこちら。
会場:VS.(ヴイエス)
会期:8月30日~9月27日
神戸・六甲山上の豊かな自然を舞台に繰り広げられる現代アートの芸術祭「神戸六甲ミーツ・アート」が今年で16回目を迎える。2010年から毎年開催されてきた本祭では、約60組のアーティストによる作品を山上の各会場に展示し、散策しながらアート鑑賞を楽しめる特別な体験を提供。六甲山の美しい眺望と現代アートが織りなす独特な空間で、自然とアートの調和から生まれる感動を存分に味わうことができる。
会場:六甲ガーデンテラスほか
会期:8月23日〜11月30日
15年目の節目を迎える「瀬戸内国際芸術祭」は、春・夏・秋会期にわけて計107日間にわたって開催。ジャッガイ・シリブート、プ・ジヒョン、雲門舞集ら21の国と地域から計63組のアーティストが参加する。また新規にニュージーランドやスウェーデンと連携を図り、ニュージーランドからは「第60回ヴェネチア・ビエンナーレ」で金獅子賞を受賞した「マタホ・コレクティブ」のメンバーでもあるサラ・ハドソンが参加。さらに芸術祭の連携プロジェクトとして、開催地域の8つの美術館が日本人アーティストの展覧会を行う。春会期のレポートを公開中。
会場:高松港、瀬戸内の島々と沿岸部
会期:夏会期8月1日〜8月31日、秋会期10月3日〜11月9日
1988年に宇和島市に活動の拠点を移し、35年にわたって同地で制作を続けている大竹伸朗の大規模個展。同館での個展は、2013年「大竹伸朗展 ニューニュー」以来12年ぶり。今回は活動の初期段階から取り組んできた「網膜」を通奏低音とし、シリーズの新作・未公開を中心に、さらに「網膜」に接続する多様な作品群を谷口吉生建築の空間を生かして展覧する。様々な関連プログラムも実施予定。ニュースはこちら。
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
会期:8月1日〜11月24日
1990年代から独自のドローイング・アニメーション手法で国内外から評価される石田尚志の、2015年以来となる大規模個展。自らが描いた絵画を連続撮影する映像作品で知られる石田が、近年10代以来となるキャンバスでの絵画制作に回帰し、空間と時間を"静止した平面"へ描き表す新たな挑戦を続けている。代表作と新作を中心に、多数の初公開作品を含む約80点で構成される本展は、映像から絵画へと展開する石田尚志の創作の軌跡と現在を総覧する内容となる。
会場:高松市美術館
会期:8月8日〜10月5日
小沢剛は、純粋芸術とそれ以外のものの境界に関心を寄せ、歴史や社会にユーモアと批評精神を交えて様々な問いを投げかける作品で国内外で広く評価されている。本展では、同館が所蔵する香川の歴史・美術・民俗に関する膨大な資料や情報などから、独自の視点でモノ・コトに着目し、それらから触発され生み出した作品や実物の資料を組み合わせた展示が行われる予定だ。
会場:香川県立ミュージアム
会期:8月9日〜10月13日